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自閉症者・東田直樹氏のNHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」に疑問

2016年12月14日 07時30分 (2017年2月13日 06時57分 更新)

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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本記事を読んで頂く前に、筆者の立場を明らかにしておく。筆者は放送作家として活動しながら、実は大学院の博士課程で「自閉症および自閉症者を社会の人に正しく理解してもらうにはどのようにすればいか」の研究をしている。

修士課程時代は徹底行動主義(心の内面はわからないので、心が行動となって外に出るもののみを研究対象とする。たとえば、転びそうな人がいたら思わず支える手を差し出す行動が研究対象となる)の教授についてこれを学んだ。

自閉症を正しく理解して貰うには、「正確な自閉症像の定義」が必要だが、先人の研究ではこれが甚だしく心許ない。あまりにバリエーションがありすぎるからだ。さらに、原因については「先天的な脳の器質異常」という説が有力だと言われるが、虐待などの環境因を指摘する研究者もいて最終的にはわかっていない。つまり、根本から治す原因療法(Causal treatment/therapy )はなく、対症療法(Symptomatic treatment/therapy)しかない。

アメリカ精神医学界の操作的診断マニュアルDSM-5(精神科医が障害名を付けるための手引きと、理解して下さい)では、自閉症と診断するためには主に2つの要件が必要だとされる。

*きわめて限られたこだわり行動(鉄道が好きで好きでたまらなくそれが度を超しているなど)

*社会的なコミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(たとえば人の目が見られないなど)

単純化して書いてしまうと誤謬が生まれやすい自閉症の概念だが、本文章では敢えてその禁を犯して書いている。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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