0

キッチンを囲む家<美しい暮らし>

2017年5月20日 09時00分 (2017年5月22日 19時05分 更新)

 とある映画のワン・シーンで、主人公の一家の大黒柱ともいうべき存在のおばあさんが、突然、亡くなります。
 家族は、おばあさんの枕元に遺されていた、彼女からの最後の手紙を開きます。
 手紙には、こう書かれています。
 落ち着きなさい。まず、皆で食事を作って、皆でそれを食べなさい。

 動揺していた家族たちは、おばあさんの遺言に従い、食事を作り、食卓を囲み、語らう中で次第に落ち着きを取り戻して行きます。

 古いマンションをリフォームして、移り住むことを決めた時、デザイナーの方に、広いキッチンを作ってください、とお願いしました。
 キッチンを囲んで、人が集えるような家で暮らしたい、というのが私の夢でした。

 父が、人寄せが好きだったので、母が作る料理はいつも大量でした。

 私が、初めて一人暮らしをした六畳一間の安アパートにも、いつも誰かが遊びに来て、ごろごろしていたのを思い出します。
 小さなキッチンで、大鍋でパスタを茹で、プラスチックのカップでワインをがぶがぶ飲み、愚痴や冗談を交わし合ったものでした。

 知人が、フランシス・フォード・コッポラ監督の別荘にランチに招かれたことがあるそうです。
 「ゴッド・ファーザー」の大家族の食事のシーンのようだった、と話してくれました。
 コッポラ農場で採れた野菜やワインが次々に振る舞われ、フランシス自らがパスタを作り、もてなしてくれたのだそうです。
 フランシス・コッポラが作るパスタ、食べてみたいなあ、と私が言うと、招かれたその方は、笑って、こう言いました。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品