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「文学的失語」に見舞われた芥川賞作家 6年ぶりの新作を語る(2)

2017年9月26日 20時00分 (2017年10月3日 17時42分 更新)

作家は、大きく分けて2種類いる。

速ければ年に数作ものペースで新作を量産できるタイプと、一つの作品を仕上げるのに長い時間を要する寡作なタイプである。

8月に『岩塩の女王』(新潮社刊)を刊行した諏訪哲史さんはまちがいなく後者。2007年に『アサッテの人』で群像新人文学賞と芥川賞を受賞し、華々しくデビューした諏訪さんだが、前作『領土』を2011年に刊行して以降、実に6年もの間、小説の発表がなかった。

この「沈黙の6年」をどのように過ごし、新作『岩塩の女王』を書き上げたのか。そしてデビューから10年を経た今の心境はどのようなものか。前回につづき、諏訪さんにお話をうかがった。(インタビュー・記事/山田洋介

【前回から読む】

――諏訪さんは、作家としてかなり寡作な部類に入ると思いますが、小説を書いていない時はどう過ごされているんですか?

諏訪:異常なほど本ばかり読んでいます。読んで文学や思想を味わいたいということもあるのですが、一方では書いていないことの罪悪感を読書で紛らわせているところもあるんですよね。「今日は小説は書けなかったけど、たくさん読書したから少しは仕事をした」という気持ちになれるので。中高生が、テストが近づくほど読書が進む心理と一緒です(笑)。

だから一日六時間くらい読書をしていますが、そうやっていると逆に「これだけ読んだのだから、タダでは終わらせられない」という気になるんですよ。幼少時からの読書の積み重ねがあるから、いざという時は、まだ何とか言葉が出てきてくれているんだと思います。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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