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電通の過労死裁判、「人の命が失われても罰金50万円」が象徴する日本の現実

2017年10月13日 20時00分 (2017年10月16日 05時30分 更新)

 労働基準法違反罪に問われていた電通に対して、東京簡易裁判所は10月6日に求刑通りとなる罰金50万円の判決を言いわたした。

 電通では2015年12月に新入社員だった高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺しており、違法残業の問題が取り沙汰されていた。9月22日に開かれた初公判では、同社の山本敏博社長が出廷し、起訴内容について「間違いありません」と認めて謝罪したことも話題になっていた。

 この判決について、ブラック企業被害対策弁護団代表を務める弁護士の佐々木亮氏は以下のように語る。

「労基法違反の場合、裁判の形式は略式で法廷に経営者が呼ばれることもなく、書面上のみで行われるケースが多いです。しかし、今回の電通のケースでは正式裁判として行われ、また山本社長が出廷しました。これは、非常に大きな意味を持つことだと思っています。

 電通の事件を発端に、長時間労働や過労死の問題に対して社会的に非難が集まりました。そして、裁判所が『これは大きな問題だ』と考えて正式裁判にしたということですから、歓迎すべき流れではあります。

 しかしながら、電通では高橋さんが自殺に追い込まれているため、『1人の命が失われたのに罰金50万円は安すぎる』という声が出るのは当然かもしれません。直接、刑事事件に問われれば違っていたのかもしれませんが、あくまで労基法違反の裁判であるため、これは法律の構造上は仕方のない面もあります。

 ただし、企業にとって罰金刑を食らうというのは大きなことであり、大企業であればあるほど恥ずかしいことでもあります。

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