タクシーの料金は、初乗り運賃の時点から「距離」と「時間」を併用して計算しているといいますが、そもそもどのようなしくみなのでしょうか。

タクシー料金、その加算のしくみ

 東京23区と三鷹市、武蔵野市のタクシー初乗り運賃は2017年2月現在、最長1.052kmまで、上限410円と定められており、以降は距離と時間によって加算されています。

タクシー料金のしくみ、知っていればおトクに? 「時間併用」で...の画像はこちら >>

東京23区を走るタクシーの初乗り運賃は2017年2月現在で410円。写真はイメージ(写真:ponsulak/123RF)。

 そもそもタクシーの料金は基本的に、上記のように一定距離内の初乗り運賃と、その距離を越えて乗車した場合の走行距離に応じた「距離制」で計算されますが、走行速度が10km/h以下になった場合には、走行時間を距離に置き換えて計算する「時間距離併用制」が適用されます。

 時間距離併用制は、賃走中のタクシーが混雑に巻き込まれたり、乗客の都合で待機させられたりといった、運転手の拘束時間が長くなる状況に対応するために設けられたものです。このため、信号で停車しているあいだや、初乗り運賃が適用される最大距離まで到達していないようなときにも、運賃が加算されることがあります。

 たとえば東京23区などにおける2017年1月30日(月)からの料金体系では、距離制の加算運賃は237mごとに80円、そして時間距離併用制の運賃は、90秒ごとに80円です。

 距離と時間の双方で計測されるタクシー料金ですが、なかには、知っておくと得するかもしれない乗り方のポイントもあります。

高速道路を使うと安くなることも?

 渋滞のなかでタクシーを利用する場合には、高速道路を使うことも一案です。全国個人タクシー協会によると、賃走中に高速道路を利用する場合はまず、運転手が乗客の了解を得て、そのうえで高速道路に入る際にメーターを「賃走」から、距離制運賃のみを適用させる「高速」に切り替えて走るという手順になるそうです。

 高速道路料金は利用者が全額負担しますが、「同じ距離を一般道路で行って渋滞に巻き込まれてしまった場合は、時間と距離の両方が加算されていくため、かえってこちらのほうが割高になってしまうことがある」(全国個人タクシー協会)そうです。

 また、タクシーメーターには、運賃加算のタイミングを知らせる機能が備わっているものもあります。たとえばニシベ計器製造所(東京都大田区)製のタクシーメーター「S-16」では、「賃走」などの文字の下に横に並んだ点があり、料金が加算されるタイミングに近づくにつれ点がひとつずつ消えていくというしくみです。

 料金が加算される前に降りたいというのは、誰しも思うところでしょうが、タクシーを急に停められない状況もあるので、余裕を持って判断しましょう。

【画像】東京23区のタクシー料金、旧体系との比較

タクシー料金のしくみ、知っていればおトクに? 「時間併用」で加算されない方法も

2017年2月現在、現行運賃は、旧運賃よりも加算されやすくなっている(画像:国土交通省の資料を一部編集)。