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旧陸軍兵器支廠を再活用した石川県立歴史博物館。近代建築活用の悩みを聞いた

2017年6月13日 11時05分 (2017年6月21日 10時54分 更新)

居住性ゼロの旧陸軍倉庫を博物館に


金沢市の観光名所、兼六園と道を挟んで反対側に本多の森公園という、かつて加賀藩の筆頭家老であった本多家の上屋敷跡などを利用した一画がある。急坂を上った先でもあり、人通りの少ない場所だが、ここにはかつて金沢市を本拠地としていた旧日本陸軍の各種施設が残されている。そのうちでも目を惹くのは赤レンガミュージアムと称され、堂々たる姿を見せる3棟の倉庫である。これらの建物は明治42(1909)年から大正3(1914)年にかけて建設され、兵器支廠、つまり、倉庫として使われてきた。現在は手前の2棟と奥の1棟の東側半分が石川県立歴史博物館、奥の1棟の西側半分が加賀本多博物館として利用されている。

建物は90mの細長い、いわゆるうなぎの寝床状の空間で、実に使いにくい、居住性のない空間だ、と石川県立歴史博物館資料課長の濱岡伸也氏。当然である。倉庫なのだ。人がそこで長い時間を過ごすことは想定して作られてはいない。

加えて陸軍省は建設する地の風土を考慮せず、全国に同じ基本設計に基づく建物を作っていたという。「金沢は湿度90%がざらで、暑く、寒い、気候的には非常に厳しい場所ですが、それに対しての配慮はゼロ。そのため、夏場はレンガが蓄熱し、南西面など暑くて触れなくなるほど。そこに博物館として文化財を収蔵しなくてはいけないのですから、悩みは尽きません」。



同じレンガ造でも用途によって使い勝手はさまざま


といっても、この建物が戦後最初に転用されたのは博物館ではない。

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