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郷愁だけで鉄道を残せない しかし、鉄道がなくても郷愁は残せる

2017年10月6日 07時00分 (2017年10月7日 07時11分 更新)

地域に鉄道があると郷愁を誘うが……(写真と本文は関係ありません)

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 日本のほぼ全ての鉄道路線を乗り歩いた。災害被害の報道に触れるたびに、その路線の様子が思い浮かぶようになった。台風が近づいているという予報を見たり、雨雲レーダーで日本列島に赤い雨雲が表示されたりするたびに、その地域の鉄道の行く末を心配する。

 7月の九州北部豪雨で、久大本線の善通寺駅~日田駅間、湯布院駅~向之原駅間、日田彦山線の添田駅~夜明駅間が不通になった。現在、久大本線は光岡駅~日田駅間が不通のまま。日田彦山線も添田駅~夜明駅間が不通のまま。どちらもバス代行となっている。

 大分県日田市、夜明駅。久大本線と日田彦山線が接続する駅だ。私の初訪問は1984年9月26日。高校生だった。アルバイトでお金をためて、九州ワイド周遊券でローカル線を巡る旅をした。「夜明け」とは、なんてロマンチックな駅名だろうと思った。ただし地名の由来は日の出ではなく、焼き畑農業の夜焼(よやき)だという。それにしても、夜焼を夜明に変えた発想がいい。

 夜明駅の駅舎を出ると下へ向かう階段があり、片側1車線の国道がある。その向こう側に夜明ダムが横たわっている。初秋の午後、水面は青空を映し輝いていた。しばらく佇んで、列車で引き返すため駅舎に戻る。プラットホームに花壇と植木が小さな庭園風に整えられていた。初老の駅員さんが、いや、駅長だったかな。庭の手入れをしながら話し相手になってくれた。「主な仕事はこっちさ」と笑っていた。

 夜明駅はその後、無人駅になった。

コメント 2

  • 匿名さん 通報

    政治家の力を鼓舞する舞台が国会。大臣になって地元に道路を通せば英雄。確かにそういう側面も必要だが結果的に利権が絡む。そして税金が増える。

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  • 匿名さん 通報

    その維持費があるなら福祉の充実を、とかの得意のすり替え議論はないのか。

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