電波塔の役割を終える東京タワーが「観光」で生き残る道

2008年10月30日 13時40分

 12月で開業50周年を迎える東京タワー。東京のシンボルのひとつとして君臨してきたが、事業体としては、現在、きわめて厳しい状況に置かれている。そう、「TV電波塔」としての役割を終えようとしているからだ。



 NHK・在京民放キー局は、地上デジタル放送に完全移行する2011年以降、電波塔の機能を東京タワーから、墨田区に建設する「東京スカイツリー」に移すことを決めている。東京タワーを運営する日本電波塔は、「地上デジタル完全移行後も電波塔として使ってもらえるよう交渉を続けている」と発表しているが、状況は厳しいと見られている。

 すなわち、東京タワーが生き残る方向性は、ランドマーク、観光名所として活路を開くことに限られてきたとも言えるだろう。テナント誘致、イベントの開催、東京タワーブランド商品の開発などなど、観光名所としての定着を図るための取り組みが本格化しているが、このような「新・東京タワー」への脱皮のシンボルとして決行されるのが、12月1日からの「新ライトアップ」だ。

 6億円をかけて276台の照明を新設、「ダイヤモンドヴェール」と名づけられた新ライトアップは、タワー全体がオレンジ色に光る従来のものと異なり、白い灯りが一つひとつ独立して見えるデザイン。点灯時に3~5分かけてじわじわと明るくなるという。消費電力は、従来のものに比較し約半分だとか。

 この新ライトアップは、祝日など時間限定で点され、この機会に「ランドマークライト」と名づけられた従来のライトアップも継続される。12月からは、「ダイヤモンドヴェール」「ランドマークライト」二種類のライトアップを楽しめるというわけだ。

「ダイヤモンドヴェール」のデザインは、従来の「ランドマークライト」と同じく、照明デザイナーの石井幹子氏が担当。

 石井氏は、20年前、鉄塔の輪郭を電球の光で縁取るだけだった東京タワーの照明を大変革し、100機以上の投光器で鉄塔の骨組みを浮かび上がらせるという斬新な手法を採用。いまひとつ地味な存在だった東京タワーを平成の新名所として蘇らせた。1987年には年間200万人台に落ち込んでいた来場者数も、新ライトアップ以降の1989年には380万人に回復。また、この東京タワーのライトアップをきっかけに、「光」による町おこしが活発化するなど、社会的にも大きな影響を与えた。

 今回は、東京タワーにとっての「大恩人」が再登板する。

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