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産業特化型求人情報サイトで成長5年連続2桁成長へ突き進む

2015年7月30日 06時13分 (2015年8月2日 05時13分 更新)

産業特化型求人情報サイトで成長5年連続2桁成長へ突き進む(写真=株主手帳7月号) (ZUU online)

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 工場で働きたい人向けの求人情報サイト「工場ワークス」を軸に、産業分野別の人材サービスで急成長しているのがインターワークス <6032> だ。昨年、東証マザーズに株式を上場。初めての通期決算発表は4期連続で増収増益を達成。今期見通しも良好で、5年連続で2桁成長が見込まれている。

 同社を率いる雨宮玲於奈社長は、リクルートを飛び出し「産業特化型」ビジネスモデルに勝算を見出している。同氏に、勝算とこれからの事業展望を聞いた。

雨宮玲於奈社長
【Profile】
 1975年神奈川県生まれ。法政大学経済学部卒業後、光通信を経て2003年リクルートエイブリック(現リクルートキャリア)に入社。入社後、リクルートにてメディカル・ヘルスケア業界を対象とした事業開発を手掛ける。同時にグループ会社である日本医療情報センター(現リクルートメディカルキャリア)代表取締役を兼務。12年リクルートエージェント(現リクルートキャリア)にて中途事業本部領域企画統括部執行役員に就任し、メディア・人材紹介ビジネスを担当。13年リクルートホールディングス国内事業統括室カンパニーパートナーに就任。同時にグループ会社であるスタッフサービス・ホールディングス取締役、リクルートスタッフィング取締役を兼務。14年1月当社副社長を経て4月から代表取締役社長に就任(現任)。

■「職に貴賎なし」ならば、求人情報にも質・量ともに差があってはならない。

 現在約400万人いると言われている転職者数の内、オフィスワーク系はおよそ100万人しかない。つまり、その他300万人は工場やアパレル、接客業など多岐に渡っている。だが、一般的に「求人サイト」と言えばオフィスワークを対象にしたものをイメージしがちだ。リクルート社をはじめ、各社が運営する数多の求人メディア各社は、転職市場の4分の1という狭いエリアで日夜、凌ぎを削っている。

 一方のインターワークスは300万人のマーケットに向き合う数少ない企業だ。多業種・多職種を一挙に扱う「何でも来い」型の求人サイトで300万人を相手にするのではなく、産業分野別に求人サイトを運営する手法で成長を続けている。業界ライバル企業がきわめて少ない分野である。

 その代表格が工場で働きたい人に特化した求人サイト「工場ワークス」だ。現在掲載されている求人件数は1万4000件(2015年6月8日現在)。最大手のリクナビNEXT(リクルートが運営)と比較すると、掲載件数はおよそ6分の1の規模だと分かる。

 だが、期間工として働く労働者が多い業界事情を背景に、登録者のリピート率はおよそ4割と高く、業界に深く根付いた求人サイトとなっている。サイト運営だけではなく、求職者向けのセミナーイベントを運営するなど、独自の集客戦略、ユーザー満足度向上策を打ち出している。

 2015年3月期決算は、前期比で16・9%増収。営業利益は同38・8%増と期初計画を上回って着地する絶好調ぶりだ。「工場ワークス」を含むM&S(メディア&ソリューション)事業が売上構成比で46・1%を占める。同事業の利益率は何と31・8%だ。配当は1株当たり35円で、配当性向は38・8%と高い。

 業績を牽引する工場ワークスは顧客単価も掲載社数もグングン伸びている。顧客単価は前期比14・7%増の26万4000円。掲載社数は同33・3%増の384社だ。この1サイトだけで、売上高は前期比21・1%増の14億3700万円、営業利益は同42・2%増の4億5700万円を稼ぎ出している。

 製造業において、国内回帰の流れが強まっており、同社にとっては良好なマーケット環境が続いている。有効求人倍率は1・15倍、新規求人倍率は1・72倍と(いずれも厚生労働省資料より)、数字がそれを示している。追い風に乗り、同社は事業拠点拡大などで対応することで業績好調を持続させており、今期の工場ワークスは前期比19・4%増収、同17%増の営業増益を計画している。

■「リクルートで出来ることならリクルートがやっている」

 インターワークスの前身であるビスコの設立は1991年。コンピュータシステムの開発・保守・運用を手掛ける企業としてスタートした。

 2006年に当時の創業者が自社株をアミューズキャピタルに売却し、インターワークスとして再スタートした経緯がある。2007年には有料職業紹介業を開始。派遣で働く人のための求人情報サイト「派遣ネット」を運営してた。同社は以後、幾つかのM&Aを行い、業容を拡充してきた。現在の「工場ワークス」は、2007年にスタート。当初は、先行していた派遣ネットの弟分的なサイトとして始まったという。

 現在、同社の社長を務める雨宮玲於奈氏は2014年にリクルートを飛び出し、同社副社長に就任。同年4月から代表取締役に着任した。雨宮社長は言う。「なぜリクルートを辞めたのか、とよく聞かれます」

 前職であるリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)で、同氏はメディカル・ヘルスケア業界を対象とした事業開発を手掛けてきた。リクルートが得意とするマス向けではなく、特定産業に特化した事業だった。

 そしてヘルスケアディビジョンのトップとして活躍。2012年にはリクルートエージェント(現リクルートキャリア)の中途事業本部領域企画統括部執行役員に就任。メディア・人材紹介ビジネスを担当してきた。

 翌2013年にはリクルートホールディングス国内事業統括室カンパニーパートナーに就任。同時にグループ会社であるスタッフサービス・ホールディングスの取締役、リクルートスタッフィングの取締役を兼務した。

 順風満帆にも思えるが、雨宮社長は「工場ワークス」の存在を知ったことで、強くインターワークスに傾いていったという。「2012年にリクルートがホールディングス体制に移行した際、古巣のリクルートキャリアに執行役員として戻りました。その際に、オフィスワーク100万人のニーズよりも、その他300万人の潜在需要をどうやって喚起していくかに傾注して考えを巡らせていました。その時に工場ワークスの存在を知ったのです。特定の産業に絞るということは、マス戦略ではないだけに景気変動の影響リスクがそこまで大きくないという利点もあります。もちろん『工場』だけやっていたのではいけません。他の多様な専門求人情報を、業界・業種ごとに網羅していくことで、300万の雇用創出が、その助けが出来るのではないかと考えました」

 雨宮社長は2014年から同社に正式合流。その勢いは加速している。

■300万人の需要に対応すべく基幹システムを大規模改修済み

 先行する工場ワークスに続けと、同社は続々とサービスを提供している。アパレル業界に特化した「アパレルワークス」、販売や接客の仕事を集めた「販売・接客ワークス」、日本在住の外国人『留学生』のための就職支援情報サイト「Jaboon」などだ。

 他にも、人材派遣・正社員・アルバイトの求人情報を専門にした「お仕事マイサーチ」や、ネット上に掲載されている求人情報を一括で横断検索できるサービス「Waccle(わっくる)」も提供。

 「業界ごとに求人メディア・サービスを行っていますが、やはりそれぞれ営業手法も異なります。例えばアパレルワークスでは、求人情報の掲載料を頂かず、成功報酬方式にしています。これは、営業する相手は本社の人事部ではなく、各店長であるところから来ています。店長裁量で求人募集は出すものですが、湯水のように掲載広告費を使う訳にはいかない。そこで、成功報酬型の広告モデルを導入しています。クライアントの意向をしっかり汲み取って自社のサービスに反映していくことで、業界に受け入れられるサイトに育っていきます」

 仔細な調整と同時に、大きな展望に向かっても動いている。同社は業界特化型求人メディアを運営しているが、見据える先は300万人の巨大マーケットである。「当社は既に、基幹システムの大規模改修を終えています。300万人の需要に対応できるだけのシステムです」

 各メディアで共通して使用する部分であり、今後様々な業界に特化したサービスが立ち上がっていく上で、既に基幹システムが出来上がっているのは大きなアドバンテージだ。後発企業の追随を許さない材料になる。

 しかも、特筆すべきは、その基幹システムの減価償却は既に終わっているということだ。同社はシステム開発会社を前身としているだけあって、基幹システムも含めてすべて内製で対応できているのだ。

 同社は「工場ワークス」の成長で注目されているが、本当の事業発展はこれからが本番なのだろう。(記事提供:株主手帳7月号)

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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