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インタビュー:個人向け資産運用・管理業務に注力=橋本・三井住友信託社長

2017年4月21日 04時26分 (2017年4月21日 09時06分 更新)
[東京 21日 ロイター] - 三井住友トラスト・ホールディングス<8309.T>の大久保哲夫社長と、傘下銀行の橋本勝社長は、ロイターとのインタビューで、ビジネスモデルの改革を進め、今後は個人向けの資産運用や資産管理業務を拡大していく方針を示した。
三井住友トラストは、6月の株主総会後に指名委員会等設置会社に移行する。大久保社長は「じん速な業務執行と、監督けん制機能を高める」と述べた。
一方、信託銀行から運用部門を分社化する議論も進めており、橋本社長は「資産運用を抜本的に強化する一環として、(グループ内で)分社・統合を検討していく」と語った。
大久保社長は旧住友信託銀行、橋本社長は旧中央三井トラスト・ホールディングスの出身。4月1日付でそれぞれ社長に就任した。
主なやり取りは以下の通り。
<大久保社長>
――取り組まなければならない課題は何か。
「社会構造が大きく変化し、金融機関を取り巻く環境も大きく変わってきている。これまでの延長線上での成長が難しくなっている。まずは、ガバナンス変革。もう1つはビジネスモデルの変革だ。さらに信託銀行のベースであるフィデューシャリー・デューティー(FD、受託者責任)の高度化を進める」
――指名委員会等設置会社に移行する狙いは。
「経営力をしっかり向上させる必要がある。今は持ち株会社と傘下銀行の両方で取締役会を開いているが、案件が重なるケースもある。環境変化の厳しい時期に、しっかりと収益を上げるためには迅速な業務執行が必要だ。さらに健全な経営を確保するための監督けん制機能も、強化させなければならない。日本企業のガバナンスに求められるスタンダードが、ここで数年で上がってきている」
――バンキングビジネスは縮小するのか。
「バランスシートで言うと、拡大はしない。金利や規制環境もあり、バランスシートの中身をより収益性の高いもの、効率性の高いものに入れ替える。たとえば、知見あるプロジェクトファイナンスやアセットファイナンス、船舶融資などでドル調達コストを考慮しても、収益確保できる分野を伸ばす」
――海外でのM&A(買収・合併)戦略はどう考えるか。
「具体的にいま検討している案件はない。ただ、ビジネスモデル変革の中で、目指すのは資産運用・資産管理のリーディングカンパニーだ。特にこの分野でノウハウや時間、人材、マーケットを買うという意味で、いいものがあればしっかり検討する。ただ、現状では価格が高くなっている」
<橋本社長>
――信託銀行として、どのような成長を目指すのか。
「バンキングではなくて、信託の手数料ビジネスを伸ばしていく。信託収益はすぐに引き上がっていくわけではないので、収益水準を確保するという意味では、バンキングビジネスもできるだけ収益を確保する努力をしていかなければならないが、手数料ビジネスの比重を増やし、バンキングは下げ行く方向感だ」
「今後は、リテール・個人の分野に注力することで、個人分野の比重を引き上げていく。具体的に注力する分野は、一番は資産運用、資産管理業務だ」
――貸出ビジネスは、どのように変えるのか。
「バランスシートは(6年前の)統合時の20兆円から今は30兆円弱に拡大してきた。個人向け住宅ローンと日系、非日系企業の海外与信が増えた。今の金利環境下でバランスシートの拡大を前提としたビジネスモデルは限界だ。今後、海外与信は少し落とし、国内法人向けは現状の水準を維持する。住宅ローンは少しずつ増えていくイメージだ」
「住宅ローンはむやみに安売りしているわけではなく、顧客属性に応じて金利設定している。今後中核になる顧客に対しては、積極的に住宅ローンを提供し、将来的には資産形成に資する取引をさせてもらいたい」
――地銀との運用ビジネスの協業は、どう進めるか。
「引き続き積極的に推進していきたい。メガに属さない独立系信託銀行という唯一の銀行なので、互いにメリットの得られる関係を構築していけると思っている。特に資産運用や相続などの分野はお互いにメリットがあれば連携しやすい分野だろう」
――信託銀行から運用部門を分社化する検討を進めているが。
「今後、手数料ビジネスを強化していく中で、資産管理、資産運用業務に注力する。資産運用を抜本的に強化する一環として、(運用部門の)分社化と、グループ内運用子会社の統合を検討していきたい。世界的に見てトップレベルの資産運用会社は運用資産100兆円レベルだ。ある程度の規模も必要になる。特に今後の成長分野であるリテール、投資信託の分野を大きく育てるためには、そういう検討は必要だ」

(布施太郎 編集:田巻一彦)

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    個人資産を食い物にしたのか

    0
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