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いいベンチャーと悪いベンチャーの見分け方~元投資担当者の視点

2017年8月10日 07時00分 (2017年8月12日 21時18分 更新)

ベンチャーキャピタル(VC)の投資担当者は、その成功と失敗の分かれ目がどこにあると見ているのでしょうか? 今回は、ベンチャー企業の成功例と失敗例を数多く見てきた元VC投資担当者の経験をご紹介します。



■結局は社長に帰結するベンチャー企業の命運



VCは、IPOやM&Aで投資先の株式が投資金額より高い値段で売却できて、初めて収益を得ることができます。



そのため、極論すればVCにとっていいベンチャーとは、投資金額以上で回収できるベンチャー企業ということになります。反対に、悪いベンチャーとは失敗するベンチャーだということで振り返ってみると、やはりある種のパターンがあるように思います。



最初に結論を言ってしまうと、ベンチャー企業の成功と失敗の要因は社長に帰結します。



VCは基本的に成長市場に属している企業に投資を行います。中にはボーナスステージ的な市場状況で、誰が企業を運営してもうまく行くタイミングもありますが、ブームはいずれ去ります。



VCはイベントやプロジェクトに投資する会社ではないので、一度投資したらブームが去った後もその企業と付き合う必要があります。だからこそ、市場動向も大切ですが、会社の命運を左右する社長の見分け方が非常に重要なポイントになるのです。



■成功する社長の特徴は?



成功するベンチャー企業の社長に共通しているのは、人間的な魅力を感じる、もしくは、突き抜けた能力・アイデアを持っているという点です。



経営の基本ではありますが、企業の成長は働く社員の力に負うところが大きいものです。そんな中ではやはり、“社長のために”とか、“あの社長が言うのだから”という気持ちが企業の底力として威力を発揮します。



また、売上を形成するユーザーに社長のファンができるケースも多いので、人間的魅力のある社長の会社は強いと言えます。ちなみに、VCの担当者が、“この社長はすごい”と思う場合、社員や顧客も同様に思っているものです。



一方で、社長が突き抜けた知識や能力、アイデアを持っている場合も成功する企業が多く、特に技術系の会社にその傾向が見られます。



ただしこの場合は、社長が最低限の経理・財務の知識を持っていること、営業や経理・財務の業務を任せられる人材がいて、任すことができる度量を社長自身が持っていることが必要不可欠です。



能力の高い社長は、何でも自分で抱え込んでしまう傾向があるのですが、企業の成長は社長一人では達成できません。任せるべきことは任せられないと、成長の限界が早期に訪れたり、優秀な社員から辞めていき組織がパンクするような事態に陥る場合もあります。



■失敗は成功の逆のケースがほとんど



「勝敗は兵家の常」であり、これまで述べたタイプの社長が率いる会社であっても、成功に至らないケースは多々あります。ただ、この場合、成功には至らずとも失敗するケースは少ないように感じます。VCにとっては、このパターンの投資先が一番悩ましい存在ではありますが。



一方、ベンチャー企業で失敗するのは、“これは付き合いきれない”と思う社長の企業です。



技術力などで飛びぬけたものがあれば、社長のキャラクターには目をつむることもあります。ただやはり、失敗した後で振り返ると、投資検討の際に社長の行動で何かしら気になることがあったケースがほとんどです。後付けの理由の可能性は否定しませんが・・・。



単に成功タイプの逆じゃないかと言われればそれまでですが、結局、投資するのが仕事とはいえVC担当者も人間であり、“この社長に賭けることができるのか”という根源的な部分が成否の鍵を握っているのだと思います。



■まとめ



いかがでしたでしょうか。アーリーステージのベンチャー企業の成功と失敗の見分け方は、VCにとって永遠のテーマのようです。しかし、ベンチャー企業を率いているのは社長という一人の人間です。その意味では、VC投資は技術力を理解する能力も必要ですが、人を見抜く力が非常に大切だと言えるでしょう。



注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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