Every Little Thing 20周年を迎えて思う音楽への想いを語る/インタビュー

■Best Album『Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~』&New Album『Tabitabi』インタビュー(2/3)

――インタビュー1より

これからも旅をして行くだろうってことで、旅っていうテーマが浮かんだんです

――そういったお二人の心境が、今回のニュー・アルバム『Tabitabi』に集約されているのでしょうか。テーマは“旅”ということですが、このテーマに至ったのはどうしてですか?

持田:このアルバムをリリースした後にツアーが控えていることとか、これまでを振り返っても、やっぱりライブってすごく大きいものだなと思って。デビューした当初、会場はアリーナとか大きいところでって会社の方が結構言ってくれていた中で、五十嵐さん(充)はホールツアーにしたいと言ってたんです。それを引き継いで、今もホールツアーでやらせてもらっていることが、私の中ですごく大きいんですよ。もちろんアリーナはアリーナの良さがあるんですけど、(ホールは)触れ合える距離感というか、ちゃんと会話をするという意味で、それがあって良かったなって思うんです。そこに、今も変わらずに足を運んでくださる方がいたり、ライブに来て楽しみたいと思ってくださる方がいたり、もちろん私たち自身も、いろんな方たちのところに行ってライブをするってことが活力になっている気がしていて。そしてきっと、これからも旅をして行くだろうってことで、旅っていうテーマが浮かんだんです。旅を2回繰り返して『Tabitabi』にしたのは一朗さんの案。私は最初、最近猫を飼い始めたので“またたび”がいいなって思ったんですけど、すでに(奥田)民生さんがやられてますからね(笑)。なんか違うのあるかな?って一朗さんに訊いて。

伊藤:“Tabitabi”って2回繰り返す語感が、なんかいいなって思ったんですよね。

――今作ではMONKEY MAJIK、Chemick Volume、元SOUL’d OUTのShinnosukeさんなど、いろんな方々が曲や詞を提供されていることにも驚きと新鮮さを感じました。

持田:みなさんにいただいた楽曲がまた、どれも素敵なんですよね。MONKEY MAJIKさんは、ホノルルマラソンのテーマソング「RUN FOR」を作る時に、実は一度お願いしたんです。でも、たまたま彼らの制作と重なってしまって、じゃあまたの機会にってことになって。そしたら、それを覚えていてくださって、時間ができたからと言って6曲ぐらいくださったんですよ。好きなのをどうぞ、みたいな。なんて心の広い人たちなんだろうって(笑)。もともとMONKEY MAJIKさんの曲は大好きだったので、すごく嬉しかったですね。もう、全部やらせていただきたい!って気持ちでしたが、それはさすがになので(笑)、2曲だけ歌わせていただきました。それから、私の場合は歌詞を提供していただくこともすごく久しぶりだったので、自分が書いたんじゃない歌詞を歌うっていうのがすごく新鮮でした。

――純粋に歌い手としてレコーディングに臨むっていう。

持田:そうですね。半分ぐらいは提供していただいたものだったりしたので。自分で歌詞を書いていると、やっぱりどうしても、こういう言葉だとこういうふうに歌いたいだとか、歌とはちょっと違うような感情も生まれたりするんですけど、みなさんが書いてくださった歌詞は、なんていうか、もうこれ以上の言葉はないなっていうふうに思いましたし。歌うことが楽しかったです。

――伊藤さんも他の方がアレンジした楽曲にギターを入れるとなると、自分たちが手掛けた時とは違うものが生まれたりするものですか?

伊藤:今回はアルバムの振り幅がすごく広いので、弾いていてもマンネリを感じないっていうのはありましたね。全曲シングルを弾いているような気合とパワー感で臨みました。ただ、基本は曲の雰囲気に合わせて。もちろん自分なりの解釈とかありますけど、曲の持つ大きなベクトルとかはそのままに。それをもっとワイドにできたらなぁって思いますね。昔の自分だったら、異色なものをそこにぶち込もうとして、それに必死だったんですけど。ここ数年は、いかに曲の間口を広げるかみたいな、そういう優しさが出てきたっていうか(笑)。僕みたいな立ち位置だと、風景に溶け込んじゃっても困るんです。なので、自分っていうものを出しつつも、曲にマッチしてないとっていう。そのへんは強く意識しました。

――今回、これだけ多くの方に曲を提供いただくっていうのは、最初から決めていたんですか?

持田:たまたまです(笑)。まずはMONKEY MAJIKさんが曲をくださったので、わっ!てなって。で、Chemick Volumeさんも曲をくださって、わっ!てなって。今度は川江美奈子さんも曲をくださって、わっ!てなって。“わっ!”続きだったんです(笑)。それで、これはもうってことで、この形になりました。

伊藤:やっぱり、前作から海外のライターさんの曲を使わせていただくようになったりして、より垣根がなくなったと思うんですよ。個人的には、その曲が持っているバイブスが良ければ、その方の国籍とかキャリアとか性別とか全然関係ない、いつでもウェルカム状態なんですけど。前作でそういう作業をして、もっと垣根がなくなったというか、周りもそういうのに抵抗がなくなってきたと思うんですよね。

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こんなふうに20年目にして楽しいと思えるようなことがあるなら、これから先も頑張れるなら頑張りたいって思いました

――それによって、また新たなELTの魅力が開花したんですね。特にMONKEY MAJIKの「さよなら」とか、Shinnosukeさんの「Best Boyfriend」とかは、これまでELTの曲としては聴いたことのないタイプだと思ったんですが、お二人にとってはどんな印象でしたか?

持田:「さよなら」は男性視点、女性視点の両方が入った歌詞がすごい素敵だなって思いましたし、「Best Boyfriend」はまったく想像していなかったテイストの曲だったので、聴かせていただいた時は私たちも新鮮だったというか、うわ~、こういうのやったことない~!という感じで。一朗さんは比較的そういう系の音楽がもともとすごい好きなので、挑戦してみようってことになって、楽しかったんじゃないですか?

伊藤:そうですね~。Shinnosukeくんは年齢の割に、僕がマニアックに聴いてきたミュージシャンをよく知ってるんですよ。なんで?って訊いたら、クラブで働いていたらしくて。なるほど、そりゃあそっち系の音楽強いよねって(笑)。

――そういう中で聴く持田さんの歌詞がまた……

持田:真面目なんです(笑)。

伊藤:自分で言っちゃった(笑)。

持田:あははは。でも本当、軽くというか、もう少し遊べたらもっと楽しいんだろうなって思うんですけど。ボキャブラリーの少なさというか……自分の中に存在する言葉の引き出しがそんなにないってことを実感して、難しいなぁと思いました。なので、苦しいな~って思うこともあったりしましたけど。

――そこを乗り越えての作品だったんですね。でも、そんなご苦労は微塵も感じさせず、今作では他の方が書いた歌詞があることによって持田さんの世界観がより明確に浮き上がってくるなと思いました。

持田:そう言っていただけるとありがたいですね。

――持田さんが歌詞を書く際、アルバムのテーマの旅を意識したりしたんですか?

持田:最後の「旅旅」という曲は、応援してきてくれている人たちのことを思いながら書きましたね。アルバムと同じタイトルの曲は作りたいなと思っていたので。この曲を作曲してくださった川江さんは、「このは」という曲も提供してくださったんですけど、この2曲は私、ものすごい勢いで歌詞を書きましたね。溢れました。そしたら川江さんが「持田さんのこの歌詞、本当に好きです」みたいにおっしゃってくれて。私も「いや、川江さん、私もこの曲本当に好きです」みたいな(笑)。で、私たちは川江さんの旦那さんの村田(昭)さんにずっとお世話になっていたこともあって、「私たち、相思相愛だね」なんて言い合ったり(笑)。このタイミングで、こんな素敵な楽曲をいただけたのは、本当にありがたいと思いました。

――「このは」という曲で、持田さんが<生きてることは素敵ですね>と書いていたのが印象的でした。そう思える今があることが素敵だなと思って。

持田:なんかやっぱり、続けてこその楽しみというのがあるなって思いますね。

――続けてきたからこそ見える景色もあるんでしょうね。

持田:あると思いますね。どんな仕事でも大変なことってあるし、もしかしたら大変なことのほうが多いと思うんですけど、でもやっぱり、こんなふうに20年目にして楽しいと思えるようなことがあるなら、これから先も頑張れるなら頑張りたいって思いました。

――伊藤さんは今作の制作を通して、この先への目標みたいなものを見つけたりしましたか?

伊藤:そうですね……過去3枚ぐらいのアルバムを比べると、徐々に作風が明るくなってきている印象があるんですよね。バラードが多いから暗いとか、そういう意味ではないんですけど、ELTとしては楽しむ方向になってきていると思っていて。“JOY”の部分ですね。なので、これからは僕らにフィットする形で、そういう楽しい曲をどんどん増やしていきたいですね。

――JOYという意味では間もなく始まるツアーも楽しみですね。どんなツアーになりそうですか?

持田:もう少ししたらリハーサルが始まるところなんですけど、今回は初めて管楽器が入るんです。いろんな曲をやりたいとも思ってますし、きっと豪華なツアーになると思います。

――インタビュー3へ

≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
■Best Album
『Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~』
2015.09.23リリース

【6CD+2DVD+2Blu-ray】
AVCD-93199~204/B~E / ¥9,000(税抜)
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Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~【6CD+2DVD+2Blu-ray】


【6CD+2DVD】
VCD-93205~10/B~C / ¥4,500(税抜)

【6CD+2Blu-ray】
AVCD-93211~6/B~C / ¥5,000(税抜)
Every Little Thing 20周年を迎えて思う音楽への想いを語る/インタビュー
Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~【6CD+2DVD】【6CD+2Blu-ray】


【6CD】
AVCD-93217~22 / ¥4,000(税抜)
Every Little Thing 20周年を迎えて思う音楽への想いを語る/インタビュー
Tabitabi + Every Best Single 2 ~MORE COMPLETE~【6CD】


■New Album
『Tabitabi』
2015.09.23リリース
AVCD-93229 / ¥3,000(税抜)
Every Little Thing 20周年を迎えて思う音楽への想いを語る/インタビュー
Tabitabi


[収録曲]
1.MY LIFE
2.ANATA TO
3.さよなら
4.Everything
5.レインボー
6.いいかえれば
7.Phone jamming (Instrumental)
8.Little Dancer
9.Best Boyfriend
10.このは
11.下町
12.旅旅

≪ライブ情報≫
【Every Little Thing 20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016 ~Tabitabi~】
2015.10.17 (土)埼玉:越谷サンシティホール(大ホール)
2015.10.24 (土)山形:南陽市文化会館 大ホール
2015.10.31 (土)静岡:沼津市民文化センター(大ホール)
2015.11.01 (日)静岡:静岡市民文化会館(大ホール)
2015.11.08 (日)神奈川:神奈川県民ホール(大ホール)
2015.11.15 (日)岡山:岡山市民会館(大ホール)
2015.11.22 (日)福岡:福岡市民会館(大ホール)
2015.11.28 (土)徳島:鳴門市文化会館
2015.11.29 (日)高知:高知県立県民文化ホール(オレンジホール)
2015.12.05 (土)沖縄:那覇市民会館(大ホール)
2015.12.13 (日)広島:上野学園ホール
2015.12.20 (日)北海道:わくわくホリデーホール (札幌市民ホール)
2016.01.17 (日)滋賀:びわ湖ホール
2016.01.22 (金)富山:新川文化ホール(大ホール)
2016.01.23 (土)長野:上田サントミューゼ(大ホール)
2016.02.06 (土)兵庫:神戸国際会館
2016.02.11 (木)大分:iichikoグランシアタ
2016.02.13 (土)宮崎:都城市総合文化ホール(大ホール)
2016.02.20 (土)宮城:東京エレクトロンホール宮城(大ホール)
2016.02.21 (日)福島:會津風雅堂(大ホール)
2016.02.27 (土)熊本:市民会館崇城大学ホール(大ホール)
2016.02.28 (日)鹿児島:鹿児島市民文化ホール(第2ホール)
2016.03.05 (土)愛知:日本特殊陶業市民会館(フォレストホール)
2016.03.06 (日)岐阜:土岐市文化プラザ(サンホール)
2016.03.12 (土)岩手:北上市文化交流センター さくらホール(大ホール)
2016.03.13 (日)秋田:大館市文化会館
2016.03.20 (日)東京:東京国際フォーラム(ホールA)
2016.04.02 (土)大阪:フェスティバルホール

≪関連リンク≫
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