芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 漫才師の中田カウスが「週刊朝日」(2月17日号)で、「ビートたけしと暴力団 本当の仲」と題する告白インタビューに応じているが、この記事にある大手芸能プロのオーナーは「カウスは、たけしを潰す気か?」と激怒している。

 事の発端は、東京都で暴力団排除条例が施行される直前に発売された「週刊文春」(2011年9月29日号)に掲載されたビートたけしの告白記事だった。

「ビートたけし『暴力団との交際』すべて語った」との見出しがついたこの記事の中で、たけしは「山口組5代目には、ある芸人にウソをつかれて、無理やり会わされたんだ」と語っている。文春は「ある芸人」をカウスと断定して、名前を公表した。これが気に食わなかったのが当のカウスだ。

 記事を見たカウスは、たけしに「会いたい」と連絡を入れたが、たけしはこれを拒否。自分がカウスの名前を出したわけでないし、07年の吉本のお家騒動以降、カウスと距離を置いていたことや多忙なこともあったためだ。すると、カウス周辺から「九州の暴力団がたけしに怒っている。

暴力団とのツーショット写真が出るかもしれない。早くカウスと会わないと、写真を止められないかもしれない」という話が伝わってきた。

 しかし、たけしは一切耳を貸さなかった。その後、写真誌「フラッシュ」(光文社)に、同様の話と暴力団関係者とたけしのツーショット写真が掲載された。しかも、「フラッシュ」によるとそのツーショット写真は、6年くらい前の写真だという。だが、たけしファンなら、着ているセーターを見れば一目瞭然。

それは、15年前くらいに着ていたセーターだった。髪型だって6年前のものとは違う。"6年前"とすることで、比較的最近まで暴力団との交際があったような印象を与えているが、要するに「フラッシュ」の記事は"たけし潰し"のために、"何者か"によって仕組まれたものだった。

 それでも、たけしは挑発に乗らず、無視した。すると、カウスは「『週刊ポスト』で、たけしと俺が対談すれば、笑って済む話なんだけどな」と言い出したそうだ。だが、たけしサイドはこれも無視。

今回の「週刊朝日」でも、カウスとの対談をたけしサイドに要請したようだが、事務所に断られたという。

 その結果、カウスの告発記事が掲載された。ここでカウスは、たけしが語った、"山口組5代目に無理やり会わされた"という事実を否定。たけし自身が積極的に暴力団に近づいていたという印象を与えている。たけしの事務所はこうした指摘を改めて否定しているが、この記事に前出の大手芸能プロオーナーは「事実ならまだしも、保身のためにウソをついて"世界のキタノ"を潰すようなことをするとは、日本の芸能界の損失だ。カウスは一体、何を考えているのか? カウスを抑えられない吉本も問題だ」と激怒。

筆者が親しくしてもらっている芸能プロのオーナーたちも、一様にカウスの激白についてあきれている。

 筆者も正直、カウスの執拗な行動にはあきれている。告白の内容についても、自分に都合がいいことばかり言っているが、カウスと同じ土俵に乗る必要はないので反論はしない。カウスの抱える問題については、過去に当コラムで幾度も指摘してきた通りだ。ただ、ひとつ言っておきたいのが、吉本は島田紳助を復帰させるべく躍起になっているが、それ以前に業界関係者の間からは「"たけし潰し"を画策するカウスを何とかしろ」という声が複数上がっているということ。そもそも、今回のカウスの発言は世間的にも業界的にも黙殺されているような状態で、さほどインパクトを持っていない。

「たけしを潰す気か?」という芸能プロオーナーの言葉は杞憂になった。あまりにも影響力がないカウスの空虚な告白。そのことがカウスの現在の危ういポジションを示しているともいえるだろう。
(文=本多


【関連記事】
食道がんで休養のやしきたかじんに付きまとう暴力団との"黒い交際"説
「紳助を潰した張本人!?」"影のフィクサー"中田カウスと暴力団の黒過ぎる関係
「その話はいらんやろ!」たかじんの休養報道に凄んだ中田カウスの狙いとは