日本では少年隊やSMAPのように、男性アイドルが20~30年とグループ活動を続けるケースは珍しくないが、兵役のある韓国の場合、男性アイドルグループが何年にも渡って活動することは難しい。そもそも、男性アイドルグループの兵役を取り巻く事情はどうなっているのだろうか。
「2000年前後に、現在の東方神起が所属している事務所SMエンターテインメントに、H.O.T.というアイドルグループがいました。韓国だけでなく中国でも人気でしたが、兵役の問題などで活動期間は5年。H.O.Tの活動期間と重なるように、1998年に同じ事務所からデビューした神話は、ヒザの手術を受けていたシン・ヘソンを除く5人が全員兵役を終え、グループでの活動を今年再開したばかりです」(韓国に詳しいライター)
神話の場合は、メンバー間の年齢差が小さかったため、全員がほぼ同じ時期に兵役に就き、その間残ったメンバーはソロ活動を主にしていた。それゆえ、グループ活動を休止していた期間があった。
「今でこそ神話の再始動は当たり前みたいになっていますが、メンバーの兵役中は本当にまた復活するのか不安なファンもいたでしょうね。というのも、兵役を経て10年以上存続しているアイドルは、韓国では神話が初めてですから」(同)
しかし、今ではこうした状況は変わりつつあるという。
「SUPER JUNIORは今後、メンバーのうち2人か3人は入隊中のメンバーがいる状態が続くでしょう。でも、SUPER JUNIORの強みは、もともとメンバーが13人と大人数だったことにあります。
しかし、アイドルを抱える事務所だけでなく、ファンにとっても兵役は大きな問題だ。応援しているメンバーが兵役に就くとその姿を見ることさえできなくなってしまう。
「いまやK-POPにおいて日本の市場は大きな役割を担っています。日本のファンは韓国や中華圏のファンと違って一度好きになると離れない。なぜかというと、ほかのアジア諸国と違い、ファンには気持ちの移ろいやすい中高生だけではなく20~30代の大人もいるからです。
SUPER JUNIORのメンバー以外にも、超新星のリーダーのユナクも入隊中だが、こちらもグループ活動は続行中だ。これまでは兵役=グループの自然消滅を意味していたが、日本が市場になったことで、韓国のアイドルグループの寿命も長くなっていくのかもしれない。