人気シンガーソングライターのYUI(25)が、年内で活動を無期限休止することを公式に発表した。公式webサイトに掲載したYUI自筆文書では、8年間の音楽活動でさまざまな人々との出会いを通じて「新たに挑戦したいことなども見えてきました。

そしてその準備のために、お休みをいただくことを決断しました」「ポジティブな想いで決めたこと」と綴っており、無期限休止とはいうものの、メディアから完全に姿を消すわけではなさそうだ。

 学生時代から地元・福岡の路上で弾き語りライブをしていたYUIは、2004年にソニーミュージックグループのオーディションを受け、翌05年にメジャーデビュー。デビュー曲がいきなりフジテレビ系月9ドラマの主題歌に起用され、大型新人として売り出された。06年には主演映画『タイヨウのうた』で女優デビュー、07年に8枚目のシングル「CHE.R.RY」がスマッシュヒットするなど活動は順風満帆だった。しかし08年8月に突如、「リフレッシュ休暇」として約10カ月にわたって活動を休止。突発的なものだったため、秋に予定されていたファンクラブ限定ツアーを直前で中止するなど、ファンの動揺は大きかった。

「当時、所属するスターダストプロモーションの俳優・女優が出演する映画やドラマには、彼女が曲を書き下ろして主題歌にするというやり方が定番化していて、常に『自分の作りたい楽曲』ではなく『要求されるイメージの楽曲』を作らされ歌わされることに嫌気がさしていたようです。週刊誌では、同じ九州出身で仲の良かったスザンヌに、『もう詞なんて書きたくない』『事務所を辞めたい』と相談しているなんて書かれましたね。しかし充電期間を経て復帰しても、状況は変わらなかったんです」(音楽業界関係者)

 確かに、復帰後も相変わらず、同じ事務所所属の北川景子の主演映画に楽曲を書き下ろしたり、竹内結子松雪泰子の出演ドラマに挿入歌や主題歌を提供したりと、仕事状況に彼女の望んだような変化は見られなかった。その結果、彼女は所属事務所を離れたいという気持ちまで強めているようだ。

「事務所の力が強く、CDの売り出しに大々的なプロモーションをかけられるのは本来ありがたいことなのですが、アーティストとして本当に伝えたいメッセージやメロディを届けられないことに歯痒さを感じているのだと思います。また、かねてより交際していて結婚のウワサもある年上彼氏の存在も大きいでしょうね。

自身のバックバンドのギタリストや、元リュシフェルの越中睦などと浮名を流してきた彼女ですが、今の彼氏もミュージシャンでヴォーカリスト。彼と同じ事務所に移籍するか、新規に個人事務所を設立するか……まあ、彼女ほどの売れっ子なら他の大手事務所も引き抜きを画策するでしょうから、泥仕合になるかもしれませんね」(前同)

 今後は、12月5日にベストアルバムを2枚同時発売し、年内いっぱいは歌番組などの活動を継続すると見られているYUI。NHK紅白歌合戦への初出場も有力視されているだけに、2度目の活動休止はファンにとって残念だが、直筆メッセージにあるように「新たに挑戦したいこと」がすでに見えているというYUIは、どのような形であれ、いつの日か再び力強い音楽を聴かせてくれることだろう。
(文=原西寛)