かつて、通常番組の2時間スペシャルというのは、ほとんどが番組改編期や年末年始などに放送されるものだった。
しかしここ数年、そんな特番が放送される時期と関係なく、やたら2時間スペシャルを連発するバラエティ番組が増えている。
なぜ、こんなに2時間スペシャルの放送が増えているのだろうか? 人気バラエティ・情報番組を手がける作家はこう言う。
「一言でいえば、視聴率のためですよね」
“2時間SP”という響きには、やはり特別感が漂う。通常の1時間放送でも、“○○SP!”といったアオリを番組欄に踊らせてスペシャル感を出す番組も少なくない。
「“2時間SP”となると、見とかなきゃいけないかなと思ってくれる視聴者が一定数見込めるわけですね」
2時間という長さの利点について、こう語る。
「たとえば19時、20時とで、1時間番組を2本やると、視聴者の気持ちは必ずリセットされますよね。
2時間スペシャルを連発しているような番組は、やはりその2時間スペシャルが、安定した人気を獲得しているということなのだろうか?
「なんとか2時間の特番で息を吹き込もう、生き返らせようとしたい番組を、逆にやることもありますね。なぜこれの特番やっちゃうんだろうという番組も、けっこうありますよね。
1時間番組を2本作るよりも、2時間で1本のほうがいいといったような、制作コスト面の影響はあるのだろうか?
「コストでいえば、1時間でも2時間でも実際にはそこまで差は出ないですね。ただ、今はもうそこまでコスト削減が理由にされるケースは減っている気がします。やはり、より視聴率が取れる形であるということではないでしょうか。ただ特番が連発されると、調査したネタをガンガン連発していくような番組はネタ切れてしまいます。
その一方で、何年にもわたって人気が安定している番組は、比較的この手の2時間スペシャルの連発はあまり見られず、従来通りに改変期などに3時間、4時間といった大型の特番をやる傾向が強いようだが、これについてはこう語る。
「普通にやっていてちゃんと人気がある番組に関しては、形を変えることで消耗させたくないというのはありますね。視聴率も安定して取れているわけですから、下手にいじらないほうがいいんだということだと思います」
連発される2時間特番。その裏には、さまざまな思惑や事情があるようだ。