13日、120人以上が死亡したパリでの同時多発テロで、悲劇の舞台となったバタクラン劇場やパリに縁のある日本人アーティストやタレントの反応を各テレビ局が伝えたが、その中からロックバンド、ONE OK ROCKだけが意図して外されていたことがわかった。

 この劇場では、過去に日本のアーティストたちが公演を行ったことがあり、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅ、SCANDALなどのほか、ワンオクもそのひとつだった。

各アーティストは、それぞれがTwitterなどに哀悼文を投稿。その一部がテレビで報道された。

「思い入れのある場所でたくさんの方が殺されたなんて信じられないし悲しすぎる」(きゃりー)

「朝からとんでもないニュースを聞いて心が痛い」(SCANDALのTOMOMI)

 そんな中、ワンオクのヴォーカル・Takaもインスタグラムに「過去に演奏したことのある場所で今回悲惨な事件がおきた。とても悲しい。辛い」と記載していたが、こうした反応を扱ったいくつかの番組で、ワンオクの部分だけが紹介NGになっていたという。

「差し込みVTR用の脚本を作る段階で草案を書いていたんですが、“これはダメ”とワンオクの部分だけバツを付けられました。
他局の知り合いに聞いても、同じことがあったようですね」と某局ディレクター。

 ワンオクがメジャーなメディアに扱われにくいことは、ファンの間でも知られている話だ。

 Takaは、森内貴寛の本名でNEWSに所属した元ジャニーズアイドルで、森進一・森昌子夫妻(2005年に離婚)の長男であることから、早くから大きく取り扱われていたが、03年のグループ加入直後に女性とのベッド写真や喫煙が報じられ、表向き「学業専念」という理由で脱退。その後、独自に結成したのがワンオクだったが、メディアに絶大な影響力を持つジャニーズに関しては、大手マスコミ間で「脱退した者は扱わない」というのが不文律となっている。そのため、バンドがいかに活躍しようとも、基本的にテレビ各局とスポーツ紙は取り扱わない姿勢を続けてきた。

 ジャニーズ担当のスポーツ紙記者によると「ジャニーズから表立って圧力を受けたことはないんですけど、マスコミ側にいる業界の有力者が『扱うな』と代弁していて、ほとんどの媒体はそれに従うか、そうでなくても自主規制している」という。


 ワンオクは10月、イタリアで開催されるヨーロッパの音楽賞「MTV EMA」の日本部門に、BABYMETAL、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、SEKAI NO OWARIとともにノミネートされていたが、ある深夜音楽番組ではワンオク以外のアーティスト名が読み上げられるということがあった。

 また、あるテレビ関係者によると、担当番組で母親・森昌子のインタビューを放送した際、子どもの育て方という話題でTakaの話が出たが、プロデューサーの指示により写真や映像は使われなかったという。

 ワンオクの活躍を伝える媒体は基本、ジャニーズと縁遠いネットメディア主体だ。テレビディレクターからは「今年のOZZFEST JAPANにも出演、ちまたで人気も出ているのに、ここまで無視するのはかわいそう」といった声も聞かれる。
(文=片岡亮)