元モーニング娘。

加護亜依が10日、単独としては6年ぶりとなるライブ『加護亜依 28th Birthday Live』を行い、話題を呼んでいる。ライブでは「恋愛レボリューション21」などのモーニング娘。時代の楽曲のほか、卒業後に力を入れていたジャズナンバーなどを披露。かつて世間を大いに騒がせ、その後の芸能活動に多大な影響を及ぼした“喫煙問題”についても冗談交じりに話し、観客を笑わせる一幕も見られたという。

 元競輪選手の中野浩一氏が所属する芸能事務所「アルカンシェル」と正式にマネジメント契約を行ったことも発表し、またもや再スタートを切ったことがうかがえるが、その方向性をどう見るべきか。音楽業界関係者に聞いた。


「加護は2006年の喫煙騒動以降も、不倫騒動や交際相手の逮捕、自殺未遂などスキャンダルに事欠かず、すっかりダークなイメージが定着してしまいました。音楽活動についても迷走を極めており、10年にはジャズアルバム『AI KAGO meets JAZZ~The first door~』を発表してロックフェス『SUMMER SONIC 2010』に出演するなど、音楽性を一新して再起を目指しましたが、大きな評価にはつながりませんでした。その後、13年には世間のアイドルブームに乗っかるカタチで、“みんなでつくる! ガールズユニットプロジェクト!”という、どこかで見たようなコンセプトのアイドルグループ・Girls Beat!!を結成しますが、結婚・出産を経た上でのデビューという斬新な切り口は、やはり既存のアイドルシーンには馴染まなかったようです。さらに夫の逮捕も重なり、事実上Girls Beat!!はしばらく活動停止になり、その後は加護抜きでライブが行われていました。今回の活動再開はGirls Beat!!以来となり、ライブの模様を聞く限り、彼女が持つ音楽のすべてを総動員したバラエティー豊かなものになったようですが、その幅広さを評価するのであれば、迷走した甲斐があったと言えるかもしれません」

 しかし、最終的には落ち着いた活動にシフトしていくのではないかと、同氏は予測する。

「今年から加護が所属するアルカンシェルは、中野浩一氏の妻であるタレントのNAOMIが代表を務めている芸能事務所で、加護は彼女を母のように慕っているといいます。
アルカンシェル自体は決して大きな事務所ではなく、音楽業界に深く食い込んでいるわけでもないので、加護が今後、メジャーレーベルからヒット曲をリリースする可能性はほとんどないでしょう。しかし、NAOMIのブログを見る限り、舞台やコンサートなどは堅実にやっているようなので、今後はマイペースに活動を続けていくことができるのではないでしょうか。いまの加護にとっては、必要な期間だと思います。2月13日に開催されたイベント『グッドチョイス & BIGUP presents PANI VALENTINE DAY SPECIAL LIVE2016』には、久しぶりにGirls Beat!!として出演しており、今後はソロとグループ両方で、現場を中心に活躍するのではないでしょうか。

 ただ、加護はスキャンダル女王であり、世間的なイメージはどうあれ、いまなお絶大な話題性を持っています。ネットで加護の記事が尽きないのは、それだけ読者のニーズがあるということの証左であり、ある意味ではいまなおスターなのです。
それだけに、小さく収まってほしくないと感じているファンは少なくないでしょう。思えばミニモニ。は、矢口真里辻希美など稀代の炎上クイーンが勢ぞろいしているのだから、3人でぶっちゃけトークに盛り上がるおバカ系の深夜バラエティーなどに挑戦すれば、確実に人々は注目すると思うんですが……難しいですかね(笑)」

 モーニング娘。を擁するアップフロントプロモーションが、彼女たちに「ミニモニ。」の冠を再び与えることを許すとは思えないが、もし実現したら興味深いところだ。
(文=山下祐介)