木村拓哉主演によるTBS系の日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』で菜々緒が演じる弁護士・榊原実梨(さかきばら みのり)の次第に孤独に陥っていく様が痛々しい。菜々緒の熱演もあってネットでは「かわいそう」「幸せになってほしい」といった同情の声が集まっている。


本作で舞台となる壇上記念病院の顧問弁護士・榊原実梨は副院長・壇上壮大(浅野忠信)と不倫関係にある。菜々緒と言えばドラマでは『ファースト・クラス』の川島レミ絵『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』の橘カラ映画『土竜の唄 香港狂騒曲』ではチャイニーズマフィアの殺し屋・胡蜂(フーフォン)など“悪女”のイメージがあり、今回の役柄もクールビューティーで冷酷無比なキャラクターかに思われた。しかし、回を重ねるにつれて人間らしい弱さを感じさせる。

壇上壮大の妻で院長の娘でもある壇上深冬(竹内結子)の脳腫瘍が発覚してから、彼の実梨に対する態度が冷たくなった。 副院長室で実梨が「私はあなたにとって何なの?」と問えば「ちょっと出て行ってくれませんか」とそっけない。

そんななか2月19日放送の第6話では、壇上記念病院にパチンコ屋で倒れたという男性が運び込まれ榊原実梨の父だと分かる。
至急手術しなければならないが、それには家族の同意が必要だ。ところが実梨は、幼い頃に母と自分を捨てて愛人を選んだ父を恨んでおり手術には同意しないと言い張る。

どうにか実梨を説得したい壇上記念病院の医師たち。そんな医師たちの様子を見かねた実梨は、まだ経験不足な医師・井川(松山ケンイチ)が執刀するなら手術に同意すると言い出す。父親の手術が失敗することを望んで院内一の腕前を持つ沖田(木村拓哉)ではなくあえて井川を指名したのだ。

井川は不安と闘いながらもシミュレーションを重ねて手術に臨む。
手術中に予想外の逆行性解離が起こり呆然となる井川だったが、沖田から「井川先生の患者だろ!」と言われて気持ちを持ち直し大手術を成功させた。

実梨はその状況を壮大とともにモニターで見守っていた。彼女が井川を指名した判断は病院にとってリスクでもあり、彼に「お前は顧問弁護士なのを忘れたのか」「出て行ってくれ」と告げられてしまう。所詮不倫関係、彼にとって一番は深冬であることを痛感した実梨は壮大との関係を終わらせることを決意する。

傷心の実梨はさらに、手術が成功して生き延びることができた父に「もうこれ以上、私に頼らないでください」と誓約書にサインをさせ病院をあとにした。

病院を出て乱れた心を振り払うかのように雑踏の中を急ぐ実梨は道行く人とぶつかり転んでしまう。
散らばった書類から父がしたサインを手に取り「どうして、どうして愛してくれなかったの…?」と溢れる涙は、父親との過去ばかりか彼にも見捨てられた孤独感からだろう。

切なすぎる菜々緒の涙に、視聴者からは「榊原先生が凄く可哀想…本当、何で彼女が悪者扱いされなきゃならないの」「苦労して来たんだね」「本当に愛してくれる人見つけて幸せになってほしい」「お父さんを憎しみながら、自分も愛人になってしまったんだね…」と同情の声が集まっていた。

今回、菜々緒演じる榊原実梨と竹内結子演じる壇上深冬が病院の廊下ですれ違う場面があった。劇中で正妻と不倫相手の対面は初めてである。院長の娘で副院長の妻という境遇の深冬に対して実梨が「あなたは恵まれている」と口にすれば、脳腫瘍の不安で頭がいっぱいだった深冬は「ええ、私は幸せよ」と返す。彼女の症状を知らぬ実梨はひとり「なんなのよ…」と憮然とするのだった。
そんな2人の関係がこれからどのように展開するかも気になるところだ。

出典:https://www.instagram.com/a_life_tbs
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉