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野沢直子、父を書く「2015年、突然父が死んだ」

2017年3月23日 17時00分 (2017年6月4日 21時18分 更新)

一昨年に父を失った野沢直子さん。父親の職業は競馬の予想屋で、失踪事件を起こしたり4度の結婚をするなど、破天荒な人生を送った。外食産業で、アニメの「ハゼドン」にあやかったハゼの天ぷらの「ハゼ丼」を考え出し大失敗したこともあったという。そんな父親に、アメリカに活動の場を移した野沢さんが結婚報告をしたときの面白すぎるエピソードを紹介する。


※本記事は「文藝芸人」(文春ムック)からの抜粋です。全文は誌面でご覧ください。


◆ ◆ ◆


 あれは一九九三年、私が三十歳になったばかりの時だ。


 当時忙しかった仕事をやめて渡米して二年後、ニューヨークでバイトしながらバンドをやっていたボブに出会い、彼と結婚することに決めた。


「私、アメリカ人と結婚するよ」


 と、国際電話で父に告げると、「え? アメリカ人? 連れてこい」と父が言うので、当時緑色だったボブの髪の毛を金髪にしてもらって日本に連れて帰り、緊張しながら父に会わせた。ボブとは交際三日で結婚を決めてしまっていたが、それでは聞こえが悪いと思い、父には『交際一週間』と四日ほど延ばしておいた。


 実家に行って父の部屋に入ると、父はガウンを着て椅子に座り、片手にはウイスキーの入ったグラスを持って氷をカラカラと回しながら、


「人生は映画じゃないんだ」


 開口一番、私たちにそう告げた。


 私はそのドラマなセリフと、ドラマのような出で立ちの父を思い出すと、今でも「くっ」と吹き出してしまう。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    オモロイけど深い。

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