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寝不足必至の面白さ! 伊坂幸太郎の最新作『AX(アックス)』

2017年8月18日 16時35分 (2017年9月24日 17時53分 更新)
今度の殺し屋は恐妻家! 累計200万部突破の大ヒットシリーズ最新作

堺雅人主演の映画『ゴールデンスランバー』や、連続テレビドラマ『魔王』などなど、映像化された作品も多く、“出せば売れる”筆頭の人気作家、伊坂幸太郎。新作『AX(アックス)』は、『グラスホッパー』『マリアビートル』に続く、「殺し屋シリーズ」第3弾です。過去2作はちょっとダークな殺し屋の世界を描いている部分がありますが、今回は打って変わって明るいホームドラマ!? もちろん、殺し屋家業のシーンも盛りだくさんですが、前半は主人公の殺し屋の家庭生活を中心に描かれているのです。

主人公は「兜」と呼ばれる殺し屋。昼間は文具メーカーの営業マンとして働いています。なんと、彼は大の恐妻家。「夜中に帰宅した時、妻を起こさずに食べられる夜食は魚肉ソーセージだ!」と高らかに宣言する兜は、殺しの技よりも妻への対応テクニックのほうが自慢なのです。そんな彼はパパ友を作ろうとして苦労したり、息子の個人面談の日に殺しの仕事がダブルブッキングしてしまったり、なかなか忙しい。そのドタバタな日々が軽いタッチで描かれて行きます。

ところで、伊坂幸太郎がアメリカの推理作家、ローレンス・ブロックの大ファンであることは自他ともに認めるところですが、本作は特にブロックの作風を思わせる軽妙な語り口が際立っています。こういうタッチの作家は日本にいそうでいないので、海外のミステリーファン、特にローレンス・ブロックのファンにもおすすめ。

物語の最後には、殺し屋自身の秘密も明かされ、最後の一段落でグッとさせるのも上手い! 妙手とはこのことかと思える一作です。

(文/吉田直子

『AX(アックス)』(伊坂幸太郎著)はKADOKAWAより発売中。1,500円(税別)
特設サイト:http://promo.kadokawa.co.jp/ax/

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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