「実はあの人、強いらしいよ」という風評が流布されるのは、芸能界の常。古くはジェリー藤尾や渡瀬恒彦、今だったら宇梶剛士が有名であろう。

ほかにもオール巨人や氷室京介など、役者界、音楽界、お笑い界といった幅広いジャンルで“最強説”はささやかれ続けている。

 これらの風評には“自称”と“他称”の2種がある。渡瀬や宇梶は前者にカテゴライズされるだろうし、一方で率先して過去のやんちゃエピソードを披露する芸能人も存在する。しかし、いまやネット社会。近しかった者による証言や証拠(画像など)により、真偽不明の“真相”が明かされることも少なくなく、結果的に元ヤンを自称して世に出る芸能人は減少傾向にある。今は気軽にギミックが使える時代ではなく、自称するにはリスクが大きすぎるのだ(ある時から、的場浩司も不良エピソードに封をしたといわれている)。


■“血の雨が降るお祭り”に率先して参加していた、若き日の原田龍二

 そんな中で気を吐くのが原田龍二だ。昨年末放送『絶対に笑ってはいけない科学博士24時』(日本テレビ系)でのアキラ100%との“裸芸”のコラボを契機に、新境地を開拓した原田。彼には温泉愛好家という側面があり、その個性はバラエティ畑で魅力を発信する重要な一要素として機能している。

 そして、彼にはもうひとつの大きな個性がある。8月23日放送『良かれと思って!』(フジテレビ系)にゲスト出演した原田に対し、視聴者からこんなメッセージが寄せられた。

「足立区のワルだったそうですが、隣でビリヤードをしていた知り合いが突然ナイフで刺されたという話がドン引きでした」

 これを、原田は否定しない。


「いきなり隣の奴が、僕の友達だったんですけど、刺されて」
「でも、死ななかったから。死ななきゃいいんですよ!」

 この日、番組では「渋谷のチーマーを潰そうとやって来た暴走族に素手で応戦した」という原田のウワサも紹介しているのだが、さすがにこれについては否定する。

「僕はチーム員ではなかったんです!」
「友達は多かったですね。っていうか、みんなそうです」

 しかし、「仲良くなって、そういうことがあると、お祭りに参加する感じで」「血の雨が降るお祭りです」「フェスみたいな感じです」と、暴れていたこと自体は否定していない。

■“現役最強”の大本命は、弟の本宮泰風か?

 この日、原田とともにゲスト出演した諸星和己は、原田の弟・本宮泰風も含めて、その実力を評価している。

「この兄弟は、今でも有名ですよ。
芸能界の中でもダントツでトップに入るくらいのケンカの強さ。だから、俺はテレビで会ってもイジらないようしてる。後が怖いから」

「弟の強さは常人じゃない」と兄の原田も一目置く本宮だが、“足立区のワル兄弟”の腕っ節についての証言は後を絶たない。

 現在、原田は『5時に夢中!』(TOKYO MX)の金曜MCを務めており、8月18日放送の同番組には俳優の中野英雄が出演している。中野も18歳の頃は“少年ヤクザ”を自称して肩で風を斬っていた時代があり、その後は「劇男一世風靡」へ入団して揉まれた猛者だ。

 そんな彼に、番組は「ケンカが強そうな有名人」として10名以上が列挙されたフリップを提示。
そこには哀川翔岩城滉一大木凡人といった数々のつわものの名前が記されていたのだが、中野は「本当に今現在で強いと思うのは、本宮泰風です」と断言する。ガタイが大きく、格闘技歴(ボクシング)を持つ本宮が現役大本命ではないか? という理由で、原田の弟を指名したのだ。

 ここで気になるのは、兄・原田と弟・本宮ではどちらが強いのか? ということ。中野は実際、「兄貴とケンカしたことはないのか?」と本宮に聞いたことがあるらしい。その時、本宮は「ウチの兄貴はバカじゃないですから」と返答したそうだ。

 原田龍二と本宮泰風。
コンプライアンス過敏な現代にもかかわらず、古くから芸能界に伝わる“伝統”を久々に継承するキナ臭い兄弟が世に出てきた。好事家を喜ばせているに違いない。
(文=寺西ジャジューカ)