9月9日・10日に放送される『FNS27時間テレビ にほんのれきし』(フジテレビ系)が、一向に盛り上がる気配を見せない。放送に先がけて、3日、総合司会のビートたけしが『ボクらの時代』に、明治大学の同窓生である星野仙一、松尾雄治と出演したものの、ほとんど話題になっていない。



 これは事前に告知された通り、ほとんどのプログラムが録画放送であり、名物の深夜企画もないことが原因だろう。さらに、番組の制作予算も大幅に減らされているようで、その影響は、番組オリジナルTシャツの制作数にも現れている。

 放送作家の山名宏和氏はブログ「規則と不規則のあいだ」の8月16日エントリで「例年は生放送なのでスタッフ用も合わせて1000枚以上作るそうだが、今年はほぼ収録なのでアナウンサー用に10枚程度しか作らないと聞き、驚く」と記している。

「『27時間テレビ』は、フジテレビのみならず、全国のFNS各局が参加するお祭りです。いわば、テレビ局にとっては“文化祭”のようなもの。番組Tシャツがほとんど作られないのはなんとも残念ですね。
テレビに映っていないところは徹底して金を削りたいのでしょうが、それではスタッフの士気は上がらないでしょう」(業界関係者)

 かつての『27時間テレビ』は、スタッフは不眠不休で番組を作り上げていた。その様子は、毎年のように出演していたナインティナインによってラジオで語られている。

「いわく、本番直前まで台本の決定稿が出なかった、前の番組の放送時間が押して、それぞれの番組の担当スタッフ同士が怒鳴り合いの喧嘩をしていた、27時間身の回りのサポートをしてくれるはずのスタッフが途中で消えたと思ったら、階段やエレベーターの中でわずかな仮眠を取っていた、といったものです。出演者、スタッフが『眠らない』からこそ、生まれる一体感もあったといえるでしょう」(前出・同)

 長時間特番の根幹にある、スタッフの士気や一体感を削いだ番組に、果たして視聴者はどのような判断を下すだろうか。
(文=平田宏利)