都響で聴くシベリウスの壮大な音絵巻《クレルヴォ》

2017年10月6日 13時35分 (2017年10月9日 15時31分 更新)
東京都交響楽団に客演するのは4度目というフィンランドの指揮者、ハンヌ・リントゥ。実力者揃いのヨルマ・パヌラ門下の中ではやや遅咲きの感があるが、フィンランド放送響の首席指揮者としても5年目を迎え、内外で精力的に活躍中だ。

東京都交響楽団 チケット情報

今年2017年はフィンランドの独立100周年にあたる。その記念の年に彼が都響と満を持して取り上げるのがシベリウスの初期の大傑作《クレルヴォ》! 本場からポリテク男声合唱団を迎え、民族色豊かな壮大な絵巻を描く。シベリウス・ファンでない方にもぜひおすすめだ。作品の聴きどころについてリントゥに聞いた。

「《クレルヴォ》はフィンランド人による初の大規模な管弦楽曲といえる記念碑的な作品です。当時シベリウスはフィンランドの民俗音楽に関心を抱いており、彼の作品で唯一そうした影響を直接聴き取れる曲です。オーケストレーションの観点からも、その後の交響曲とは異なり、より鮮やかで、彼がこのままの路線で作曲していたらバルトークやストラヴィンスキーのような作風になったのではないかと思わせます。しかし彼は《クレルヴォ》で試みた語法は次につながらないとのちに作品を撤回、純粋な交響曲へと方向を転じたのです」

《クレルヴォ》は交響曲と呼ばれることもあるが、リントゥは5つの交響詩から成る連作だと考えているという。ストーリーは民族叙事詩『カレワラ』に基づいており、不幸な星のもとに生まれた主人公クレルヴォの波乱に富んだ悲劇的な人生を、ふたりのソリスト、男声合唱とオーケストラで劇的に描く。

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