天の川のブラックホールが小惑星を飲み込んでいる - NASAが発表

2012年2月10日 18時12分
天の川でフレアが発生する理由は、天の川の中央に位置する巨大ブラックホールでの小惑星の蒸発、破壊によるものである ― NASAはこのほど、チャンドラX線天文台の観測をもとに、天の川におけるフレア発生原因の可能性について発表を行った。

過去数年間、チャンドラX線天文台は、超大質量ブラックホール「いて座A」からX線フレアをほぼ毎日感知している。

かねてより、「超大質量ブラックホール付近のような厳しい環境で、小惑星はそもそも形成されるのか」という疑問があったとされるため、今回の研究結果は刺激的である。

なぜなら、フレアが発生するためには多くの小惑星が必要であることを示唆しているからだ。

いて座A周辺にはガス雲があり、その中には何兆もの小惑星や彗星が親星から引き離されて存在していると考えられている。

ブラックホールから1.6億キロメートル圏内(おおよそ地球と太陽との距離)を小惑星が通過すると、ブラックホールの潮汐力によって引き裂かれてしまうとされる。

隕石が地球の大気を通過して落下するときに温度が上昇し燃焼するのと同様に、引き裂かれた星の破片は、いて座Aの上の漂う熱く薄いガスを通過する際の摩擦によって蒸発してフレアを発生させ、星の残骸は最終的にブラックホールに飲み込まれる。

チャンドラX線天文台で観測されたフレアの発生条件としては、小惑星の直径が10キロメートル以上必要であると推測されている。

これより小さな小惑星がいて座Aに飲み込まれている可能性はあるが、この時に発生するフレアはより微弱であるため特定するのは困難と考えられる。

今回の研究結果は、この領域の小惑星の数を予測して構築されたモデルと合理的に一致したという(モデルでは地球付近の星の数と天の川の中央付近にある星の数が同等と仮定した)。

また今回は実際の発生状況を確認するため、銀河の寿命である100億年の間に2~3兆個の小惑星がブラックホールによって消滅していると想定して計算が行われた。

この場合、小惑星全体の中でほんの一部だけが飲み込まれたと仮定するなら、将来、小惑星が枯渇してなくなることはないと考えられる。

惑星がいて座Aに近づきすぎた場合も潮汐力によって破壊されるはずだが、惑星の例は一般的ではないため、発生する確率は小惑星よりずっと少ない。

このシナリオは、X線望遠鏡が登場する数十年前にいて座AのX線が100万倍の明るさになった現象に由来する。

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