中国メディアは22日、「中国の『キラー』級戦闘機が試験飛行、ライバルは緊張」と題する記事を掲載した。中国が開発中とされる「J-18(殲-18)」戦闘機について「垂直離着陸(VTOL)機」、「『F-22』より高性能」などの見方を紹介し、南シナ海での「臨機応変な運用」が考えられると主張した。


 「J-18」については不明な点が多いが、「瀋陽飛機集団が内モンゴルで開発中」、「VTOL機または短距離離着陸(STOL)機」、「エンテ機(先尾翼機)」、「試験飛行にすでに成功」などの味方が出ている。

 記事は「J-18」について、米国の軍事情報メディアの「ディフェンス・ニュース」が「レーザー・アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを搭載」、「大出力の双発エンジン」、「F-22にもない極めて優秀なステルス性と先進的な攻撃能力を備える」との見方を示したと伝えた。

 記事は、「J-18」の活用法について、南シナ海での展開が考えられると主張。ベトナムやフィリピンなどと領有権で対立するスプラトリー諸島(南沙諸島)地域での利用だ。理由として「島や岩礁は小さく、飛行場を作るには適していない」、「中国はまだ空母を1隻しか保有していない」ことを挙げた。

 VTOL機である「J-18」を南シナ海の島に配備する、または垂直離着陸が可能な水上艦と組み合わせて配備すれば、臨機応変な利用が可能という。


 記事は「『J-18』の性能をさらに向上させていけば、『F-35』をすべて砲火の餌食にすることも夢ではない」と主張した。

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◆解説◆
 中国がステルス「VTOL」戦闘機を研究し、なんらかの成果を上げている可能性は否定できないが、実現性には、大きな疑問が残る。

 戦闘機のエンジンには、推力、重量、コンパクト性などさまざまな面で大きな条件が課せられる。双発にして推力を2倍にしても、重量も2倍になり、「機体としての性能は向上しない」場合もある。

 台湾メディアのNownewsによると、中国の航空軍事評論家の宋心之氏も、「VTOL戦闘機の技術は非常に複雑。米国は『F-35B』の開発に20年かけたが、技術はいまだに未成熟」、「まずはエンジンの問題を開発せねばならない」と指摘した。


 中国はロシア製を「参考」に、航空エンジンの“自主開発”を続けている。ロシア製エンジンは、西側航空エンジンよりも性能が劣るとされる。中国がロシア製以上の航空エンジン開発に成功したという情報が伝えられたことはない。(編集担当:如月隼人)。(イメージ写真提供:123RF.COM)


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