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なぜ人工知能は東大に合格できないのか? 「東ロボくん」プロジェクトで分かったAIの弱点

2017年2月7日 08時00分 (2017年2月14日 08時00分 更新)
■なぜ人工知能は東大に合格できないのか?(上)

 いずれ人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れる、とまことしやかに語られる昨今。であればAIが東大に合格するなど簡単そうだが、挑戦してわかったのは、AIの弱点だった。プロジェクトを率いた新井紀子氏が明かす。


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 ロボット(AI)は東大に入れるか――。AIの東ロボくんが挑んできたプロジェクトに一区切りがついた。この5年間、毎年模擬試験を受け、偏差値も少しずつ高くなり、有名私大に合格できるレベルには達したが、東大合格レベルに届く見通しは立たないという。ある種の問題には対応できても、所詮AIには読み解けない問題が数多く残ることがわかったのだ。


国立情報学研究所教授・新井紀子氏

 むろん挑戦が無駄だったわけではない。新井教授によれば、浮き彫りになったのは近未来への意外な不安だったという。


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 人工知能(AI)には、できることとできないことがあると思っています。シンギュラリティは起きませんし、AIのおかげで人間が労働から解放されることもない。とはいえ今後、一定の仕事はAIが代替するようになるはずです。そのことをわかりやすく伝えるために「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを始めたのです。


 事の始まりは2010年、私が『コンピュータが仕事を奪う』という本を書いたことです。国立情報学研究所(NII)には、画像処理や画像認識、音声認識や音声合成、自然言語処理、ロボティクスなど、今日AIとして一括りにされている分野の研究者が大勢います。

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