「恋愛しなくても平気」は孤独じゃないから言える?

「恋愛しなくても平気」と言えるのは……

「俺(私)、恋愛しなくても平気みたい……」
と言って、特定の相手を作らない若者が増えているそうです。ある調査によると、恋愛時期である20代の3分の1が、恋人のみならず好きな相手もいない状況なのだそう。多数の一人暮らしの独身男女がいる現代ですが、「寂しいな、誰かと一緒に居たいな」という気持ちになったりしないのか? と親世代などは不思議に思うと言います。

しかし、若者たちが、いわゆる「引きこもり」という状態や、一人の部屋で長時間を過ごせているのは、実際にはテレビやゲーム、インターネットなどで、外部の情報や人々と接触できているから。「ほんとうの孤独」のなかでは、人間は何日も耐えられないのです。

そのことを証明した、こんな実験があります。外部からの音を遮断した暗い部屋に、実験の協力者(被験者と呼びます)に、一人で入ってもらいます。そして聴覚や視覚を刺激するものがまったくない状態で一人きりにする。その後の被験者がどうなっていくかというと、まず集中力がなくなっていき、段々と色々な考えが浮かんでは消え、一つのことを考えることができなくなるそうです。

さらに時間が経つと、見えないはずのものが見えたり、聴こえないはずの他人の声が聞こえたりする。この幻覚や幻聴は時間が経つほど酷くなり、苦痛を感じるようにもなるとのこと。そうして被験者の大半は、実験開始から2〜4日で実験に耐えられなくなったそうです。しかも、実験が終わってから1日ほどは、ものがきちんと見えなくなったり、時間の感覚が狂ったりといった後遺症が残ったといいます。

つまり、何も刺激がない、「ほんとうに孤独」な状態には、人はたったの2〜4日しかか耐えられない。その2〜4日ですら、正常な精神状態ではいられないのです。この結果からしても、人間は本当に一人では生きられない生き物であることが分かります。一人の部屋で長時間を過ごせてしまう自分の様子から、「俺は(私は)一人でも平気なのかも……」と錯覚してしまう人もいるかもしれませんが、「人は何らかのコミュニケーションがなければ生きていけないこと」を知っておくことは、大切なことかもしれません。

恋愛に億劫な若者が増えてきているのは、生身の人間同士の深いコミュニケーションが怖いからだと言います。嫌になっても逃げ出すことはできないし、傷つけ合うときの痛みも深い。ですが、深く関わったからこそ得られる喜びや幸福があることも確かですし、そういった怖れを感じるのも、実は「本当に良い人間関係を得たい」と思っている心理の現れかもしれません。
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ライター情報

外山ゆひら

フリーライターです。対人関係、心や生き方に関する記事多め。悩み相談コラム「恋活小町」や作品レビューなども。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々ウォッチしてます
Twitter : @yuhira_tw

2010年3月26日 10時00分

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