ツンデレ。アニメの世界から始まったこの言葉が、一般にも使われるようになったのはここ数年のこと。「ツンツンデレデレ」の略であり、Wikipediaでは以下のような人物、またその性格・様子のことと説明されています。
(1) 初め(物語開始段階)はツンツンしている(=敵対的)が、何かのきっかけでデレデレ状態に変化する(変化の速度は、場合による)
(2) 普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対しデレデレといちゃつく
(3) 好意を持った人物に対し、デレッとした態度を取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼に接する
さて心理学には、この「ツンデレ」の、特に1の状態に当てはまるような、面白い研究結果があります。女子学生たちに実験のアシスタントをお願いし、実験中に7回ずつ、実験相手(サクラ)に、彼女らの魅力度を評定してもらいます。実はその評価は最初から以下の4条件に分けられており、それらの魅力度は、その都度、彼女らに知らされます。そして最後に、女子学生たちが「自分たちの魅力度を評定した実験相手(サクラ)にどの程度好意を持ったか」についてを調査しました。結果、実験相手に好意を持った度合は、以下の順位になりました(引用元:「LoveとLikeを見分ける方法(数研出版/白石崇著)」)。
1位:だんだん、魅力度は高いと評定されていく
2位:最初からずっと、魅力度が高いと評定される
3位:最初からずっと、魅力度が低いと評定される
4位:だんだん、魅力度は低いと評定されていく
驚くことに、「ずっと魅力的という評価をくれた」相手よりも、「だんだん魅力的だと評価してくれた」相手に、人はより多くの好意を持つ、という結果になったのです。また、「ずっと魅力的じゃない」と評価された相手より、「だんだん魅力的じゃないと評価していった」相手のほうに、好意が低いことも分かりました。
◎ゲイン効果とロス効果
この、「終始一貫して好意的に評価されるより、徐々に好意的に評価される方が相手に対する好意度が上がること」を『ゲイン効果』と呼び、反対に「最初は好意的だったが、だんだん非好意的にされるほうが相手に対する好意度が下がること」を『ロス効果』と呼びます。
これを「ツンデレ」に置き換えると、最初からずっと「デレデレ」よりも、「ツン」な態度をされてから徐々に「デレ」を見せられるほうが、その人を好きになってしまう可能性が高いということ。…


