過去のトラウマで…「付き合うのが怖い」と感じるときの対処法

発言小町に「付き合いたいけど付き合うのが怖い」という投稿が寄せられました。

友達以上恋人未満の“好きな人”がいるというトピ主さん。彼からは何度か好きだと言われているし、自分も好きなことも伝えている状況ですが、トピ主さんは過去の恋愛でいい思い出がなく、そのトラウマで「付き合うのが怖い気持ち」があるとか。正直に「交際はまだ待ってほしい」とお願いしたところ、彼は「トピ主さんのペースでいい、待っている」と言ってくれているそうです。

この「付き合うのが怖い気持ち」の乗り越え方について、経験者の意見を求めています。

目次

保証書付きの選択肢はない。「幸せになれる可能性」に賭ける勇気も必要


過去の恋愛にいい思い出がなく、「付き合ったら『いつか別れるんだろうな』といったことばかり考えてしまって、踏み出せずにいます」というトピ主さん。再び失恋の痛みを味わうかもしれないと思うと、怖くて恋を始められない――という感覚は、恋愛でつらい経験をされた方には、とても共感できる気持ちではないかと思います。

「絶対に別れない、彼と幸せになれる保証」があるならば、今すぐにでも交際に踏み切れるのかもしれません。でも残念ながら、“保証書付きの人生”は誰も手にすることができません。恋愛も人生も、自分が「これで正しい」と思う選択に“賭け”ながら、前に進めていくしかないのが現実です。

今は不安のほうが強くて、トピ主さんはまだ「この先得られるかもしれない幸せに賭けてみよう」という覚悟ができないでいるのでしょう。彼と交際してまた傷つくくらいなら、現状のままでいたい、といった思いもあるのかもしれませんね。

それでも、この先仲良くしているうちに少しずつ気持ちが固まってきて、「彼と幸せになることに賭けてみよう」と決心できる日が来るかもしれません。焦らずその時を待ってみるのも一案です。ただ最後の一歩に関しては、やはり“意志”の力も必要です。愛し愛される幸せを手にしたければ、どこかのタイミングで、勇気や覚悟を持って「エイっ」と一歩を踏み出さなくてはならないでしょう。

投稿には、「踏み出せずにいる自分も嫌ですし、相手にも迷惑だとはわかっている」という記述も見られます。「好きなのに相手の気持ちに応えられない罪悪感」があったり、「覚悟ができない弱虫な自分」に嫌気がさしたり、あるいは「曖昧(あいまい)にしていたら、そのうち彼に愛想をつかされてしまうのでは」といった恐れもあるのだろうと推測します。

そうした思いに苛まれると、「彼の気持ちが離れるのが怖いから」という理由で、とりあえず交際を始めようと思うかもしれません。でもそれはあまりおすすめできません。彼だって、きっと「自分を信頼して一緒にいることを決断してほしい」と思っているはず。他の誰でもなく、トピ主さんと一緒にいたいと真剣に思っているからこそ、毎日連絡をしてきたり、「待つよ」と言ってくれたりしているのではないでしょうか。

恋人になれば、常に「失う不安」と隣り合わせ!?


彼について、「本当に心から楽しいと思える、素で笑える人だなと思い始めてきた」というトピ主さん。おそらくトピ主さんは今、再び“恋の喜び”に目覚め始めているのだろうと思います。一緒にいるだけで楽しい気持ち、愛される幸せや安心感。それらを感じるのと同時に、そこに身を委ねる怖さや不安も際立ってくるのではないかと思います。

しかし、恋人関係になれば、常に“相手を失う不安”と隣り合わせです。たとえ相手があからさまな裏切り行為をしなかったとしても、「気持ちが離れてしまうのではないか」「離別の日が来るのでは」といった不安は、いくらでも持つことができます。「失うかもしれない不安に耐えられない、それを抱えるくらいから一人のほうが楽だ」と思ってしまうならば、今はまだ、トピ主さんは恋をリスタートできる時期ではないのかもしれませんね。

少しずつ、強い気持ちを育てていきましょう。「たとえ、この恋がどんな結末になったとしても、私は大丈夫」と思えるように。もしも次の恋を失ったら、二度と立ち直れないわけじゃない。彼とうまくいってもうまくいかなくても、自分の人生すべてが左右されるわけじゃない――と。

自分の軸をしっかり持ったまま、パートナーシップを築いていくことは可能です。逆に自分の価値を相手に委ねきってしまうほど、“離別の不安”は増大してしまうでしょう。幸せや喜びを手にしようという覚悟を持ち、同時に、自分の軸もしっかり育てることです。自分の不安は自分でコントロール(退治)できるよう、精神力を鍛えていきましょう。「過去のトラウマのせいで、今もこの先も、恋の喜びを手にできないなんて悔しい!」という気持ちをバネにしてみるのも一案です。

「今を生きる」勇気、「私は大丈夫」という信念を育てよう


まずは自分の心を客観的に見つめ、「今はまだ昔の痛みがあるから、恋が怖いんだね」と話しかけてみてください。その上で、「だけど今、彼と出会って、好きになりかけていて、また希望を持てるようになってきたんだね」と今時点の気持ちもしっかり受け止めてみましょう。

そのように丁寧に自分の気持ちを見つめていると、「今すぐ、すべての物事に白黒をつけなくても大丈夫だ」ときっと実感できてくるはず。先のことはわからないけれど、今、彼と仲良くできて私はうれしい。その気持ちを大切にしていこう。「今」という時間を大事に過ごしていけば、いずれ、おのずと正しい答えが出てくるはずだ――。そんな風に思えてくるかと思います。

「収束」という言葉にあるとおり、物事はすべからく、収まるところに収まっていきます。その結果が自分にとって良いか悪いかはわかりませんが、過去の出来事や未来への不安にとらわれて「今」に集中できないでいると、いいことは起こりにくくなります。よそ見ばかりして、今をしっかり生きないでいると、よい未来がやってこない……というのはなんとなく想像できますよね。

「どんなことが起きても私は大丈夫だし、運命もなるようになっていくものだ」。ある種の“開き直り”とも言えますが、そんな覚悟を心に持つことができれば、そして二人の気持ちがこの先しっかり繋がっていけば、交際はきっと自然に始まっていくことでしょう。

つらい過去を超えて、再び恋をしあえる相手に出会えたことは、とても喜ばしいこと。彼がくれる愛情をパワーにしながら、心の変革に取り組み、ぜひ、少しずつでいいので“幸せになる決意”を獲得していってほしいなと思います。ささやかながら応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事