早く帰りたいのに残業を頼まれた。友達に「お金を貸してほしい」と言われた。
私たちが人と関わり合いを持って生きていくうえで、かならずしも生じるであろう「断り」の場面。皆さんの中にも「断るのが苦手で......」という性格の人や「あのときもっときっぱりと断っていれば......」なんて後悔をしている人は多いのではないでしょうか。
そんな皆さんにぜひ一読いただきたいのが本書『できる大人は、男も女も断わり上手』。銀座の一流ママが"カドの立たない"お断りの作法をそっと教えてくれるとなれば、中をのぞいてみたくなるというものです。
著者の伊藤由美さんは、銀座「クラブ由美」のオーナーママ。
そんな伊藤さんであれど、そしてそんな伊藤さんだからこそ、これまで仕事でもプライベートでも、断る必要が生じる機会は何度もあったことでしょう。その際、相手への気遣いを忘れずにどのようにうまく「NO」を言うか? この一冊にはそうしたノウハウやテクニックが詰まっています。
全部で5章からなる本書。
続く2章では「カドの立たない断り方」を7つの作法とともに紹介。その一つをあげるとすると、「断りっぱなしではなく『代案』でフォロー」というもの。ただ単に「できない」と断るのではなく「〇〇はできないのですが、その代わりに――」と提案をするというものです。
たとえば「クラブ由美」に来るお客さんで、カラオケが苦手だという男性。
そして、第3章ではビジネスシーンの「お断り」、第4章ではプライベートのお断り、第5章では恋愛におけるお断りと、私たちの日常生活でも使えそうなお断りの手法を具体的に、実践的に教えてくれます。
ビジネスシーンであれば、手一杯なところに新たな仕事を頼まれた、行きたくない飲み会に誘われた、職場の人からLINEを交換しようと言われた。プライベートであれば、お金を貸してと言われた、宗教やマルチ商法に勧誘された、近所や親戚からの困った頼みごと。恋愛であれば、好きでない人からの告白など。どれも「あるある!」と思い当たるようなリアルな事案ばかりですが、皆さんならどのようにうまく断りますか?
これについては第2章までの手法を使って、ぜひご自身で考えてみてください。そして、伊藤さんが教える断り方についても詳しく書かれていますので、答え合わせのつもりで読んでみてください。
「長年、政財界で活躍するお客様と接してきて感じるのは、できる人は男女ともに、断り方がお上手だということです」と語る伊藤さん。皆さんも本書で上手な断り方を学んで、ワンランク上の大人を目指してはいかがでしょうか。