あなたも“タラレバ娘”になってない? なぜ主人公たちはモテないのかを徹底解明!
ドラマ「東京タラレバ娘」がアラサー女子たちの傷をエグると話題沸騰!だが、主人公たちの行動一つ一つに「分かる」と思ってしまう人も多いのでは?なぜ主人公たちが結婚したがっているのにモテないのか、徹底解説してみました。
『東京タラレバ娘』に大反響! アラサー女子への痛烈なメッセージに心をエグられる人多数
吉高由里子主演のドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)の放送が始まり、大きな反響を呼んでいる。原作は東村アキコによる同名の漫画で、2015年に「このマンガがすごい!」オンナ編で第2位に選ばれるなど女性を中心に支持されている作品だ。アラサー女子への痛烈なメッセージ満載のドラマを見た“自称女子”からは、悲痛な叫びが溢れているようす。
昨日の東京タラレバ娘、面白かったけど、ぐさっと突き刺さる内容でした…
— 田村 沙知 (@tamusabeth88) 2017年1月19日
もう女の子じゃないんだから、自分の足で立ち上がらなくちゃ( ;∀;)
タラレバ行ってる場合じゃないぞー
タラレバ娘面白かったんだけど現実を突き付けられる感じでキツイあと5年後どうなっているのやら………
— haruka. (@auamu_h) 2017年1月19日
昨日タラレバ観てたらHP削られすぎてしんどい・・・wあのドラマは独身アラサーを殺しにきてるwww
— 鬼蓮青いブス (@zakuroinu) 2017年1月18日
『東京タラレバ娘』の主人公・鎌田倫子(吉高)はアラサー・独身・彼氏なしの売れない脚本家。最後に彼氏がいたのはいつなのか思い出せないほど恋愛日照りが続いているものの、いつか幸せになれると信じて、親友のアラサー女子2名と女子会を繰り返す日々を送っていた。
しかし第1話では、行きつけの居酒屋で女子会をする倫子たちに、坂口健太郎演じる金髪男子・KEYが「現れてもいないのにイイ男だの結婚だの、何の根拠もないタラレバ話でよくそんな盛り上がれますよね」「告白を受けて“たら”、付き合って“れば”、綺麗になっ“たら”、好きになれ“れば”本気出し“たら”って…」「そうやって一生女同士でタラレバつまみに酒飲んでろよ」と鋭すぎる批判をぶつける。
アラサーに恋は難しい!? “タラレバ娘”の何が問題なのか
倫子は今まで合コンや婚活に精を出す友人をバカにしてきたことを後悔し、自分がずっと「ベンチにいた」と言う。倫子たちは“もっと綺麗になったら”“相手を好きになれれば”幸せになれると仮定の話を繰り返すことで、自分から積極的に行動してこなかった。そのためアラサー女子としての現実と向き合わず、今から恋愛しようと思ってもその方法が分からなくなっていたのだ。
倫子の語る「いつも試合には参加しないで みんなが頑張って戦ってるのを、ベンチの中から見物して偉そうなことばっかり言ってただけ」「そのくせ、チャンスがあればいつでも行けるって自信満々で、一番美味しい場面でホームラン打てるって信じてた」というたとえ話には、「名言すぎる…」という声が続出している。
タラレバ娘面白い
— いっちー (@ichi1181989) 2017年1月19日
不器用な感じ めっちゃ共感(笑)
アラサーなるとやっぱ恋愛難しいね(笑)
そのほか、酔って転んだ倫子をKEYが「いい年した大人は自分で立ち上がれ」「もう女の子じゃないんだから」と冷たく突き放すシーンにもアラサー女子たちの共感が集まり、「このセリフ沁みるなあ…」といった声が続出している。ちなみにドラマではマイルドな表現になっているものの、原作1巻では「酔って転んで男に抱えて貰うのは25歳までだろ」「30代は自分で立ち上がれ」とよりストレートなセリフ回しだった。
『いい年した大人は自分で立ち上がれ』タラレバ娘、沁みる。
— ___a___o (@s_a__c_o) 2017年1月18日
「いい歳したおとなは自分で立ち上がれ」ご最も。
— ゆゆ (@no_29river) 2017年1月18日
1人だろうが複数形だろうが
誰によっかかることなく立っていたい#タラレバ娘
女子会が招く思わぬ落とし穴 あなたの周りにも”無自覚フレネミー”がいる!?
倫子たち女子会のメンバーは全員がアラサーで、高校時代からの親友という設定。何となくお酒を飲みたいときは「第一出動」、仕事の愚痴をするときは「第二出動」、誰かの悪口をぶちまけるときは「第三出動」、そして男がらみの緊急事態では「第四出動」と、身の回りで何かが起こるたびに居酒屋で集まる仲。
しかしこの女子会の関係性こそが、彼女たちが幸せになれない理由ではないかという意見もある。
タラレバ娘を読んだ女友だちと話してたんだけど、香や小雪って倫子にとってフレネミーじみてるのでは?という話になった。本気で友達のことを考えてるし悪意はないんだけど、外部監査としての能力が欠如してる。恋愛問題において、外部監査としての能力がない女友だちは害悪になるんだなと
— ぱぷりこ 書籍版『妖怪男ウォッチ』発売中 (@papupapuriko) 2017年1月14日
フレネミーとは、フレンドとエネミーを掛け合わせた造語。友達が自分より幸せになるのを妨げようとしたり、表面上は仲が良いのに裏では激しい競争心を燃やしていたりする、“友達に見えるものの実は敵”という存在のことだ。
『東京タラレバ娘』の女子会では誰も悪意を持ってはいないものの、幸せになるための方法がどこからも出てこない。第1話で倫子が最初に「第四出動」をかけるシーンが象徴的だが、居酒屋で早坂とのことを相談してもその行く末を面白がるだけで、「それは自意識過剰じゃない?」といった現実的なツッコミを誰もしない。
逆に「~だったら」「~できれば」幸せになれるとタラレバ話に花を咲かせることで、友人が現実と向き合うことを回避させているのだ。
原作では、互いに”無自覚フレネミー”状態に陥っていることがうかがえる代表的なストーリーも。
ある時、お互いの恋愛事情について現実をつきつけあってしまい、仲違いをしてしまった3人。最終的にはお互いの不幸話を共有することで仲直りをするのだが、事の顛末をみた名物キャラクターは「女同士は不幸自慢してるくらいが一番うまくいくんレバね」と倫子に語りかける。
この発言を見て、「振り返ってみれば幸せな話よりも恋愛ネタで不運な話をしている方が女子会は盛り上がる」とはっとした人も多いのではないだろうか。友人たちの恋愛における不幸話を聞いて、「友達も男運がないからまだまだ自分も大丈夫」などと、女子会が傷のなめあいになってしまっているのが”無自覚フレネミー”たちの女子会の特徴だ。
恋愛において、倫子たちの自己評価と周りからの他己評価に差が出てしまったのは、こうした「無自覚フレネミー女子会」を重ねた結果だと言えるのではないだろうか。
“セカンド女子”の姿も… 東村アキコの観察眼がスゴい
原作者の東村アキコは人間観察力に定評があり、『主に泣いてます』では美人すぎて恋愛が上手くいかない女性を描き、「女性の心情を描くのがリアルすぎる」と評判に。2012年にはフジテレビでドラマ化もされている。
いずれにしても東村アキコの作品に共通するのは、恋愛が上手くいかない人々を描いてきたという点。様々な人物のパターンが登場し、『東京タラレバ娘』ではいわゆる“セカンド女子”の女性の姿も描かれる。これは単に二股をかけられているのではなく、彼氏にとって本命の女性がほかにいて、自分が2番手(セカンド)という関係性。「いつか自分が一番になれるのでは…」と、“タラレバ”で現実と向き合えない女性の闇が描かれる。
『東京タラレバ娘』には「結婚しなければという思い込みが強すぎるのでは?」という疑問の声も上がっている。しかし東村アキコは、必ずしも“恋愛・結婚至上主義”というわけではなく、結婚はあくまで一つの幸せの形であると発言している。アラサー女子だけでなく、多くの人の心をつかむ作品になっているのはそうした背景があるからかもしれない。