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夏休み短縮は子どもに良い影響を与えているのか?現役教師に話を聞いてみた

2017年8月23日 08時00分 (2017年8月28日 11時43分 更新)

夏休み短縮は子どもに良い影響を与えているのか?現役教師に話を聞いてみた

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小中学校の夏休みが短縮傾向にあるニュースが話題になっているが、みなさんはどう思うだろうか? 夏休みがわずか16日程度になる予定の学校もあり、子どもたちの残念がる顔が浮かんでしまう。夏休みを短縮するのは、教師の授業負担を減らすため、子どもの学力向上を図るためといった理由があるようだが、果たして夏休み短縮は子どもに良い影響を与えるのだろうか? 現役私立小学校教師の青木洋介さんに意見を伺ったのでご紹介したい。

■校務の削減、合理化を優先するべき

「私個人は、小中学校の夏休み短縮には反対です。教師の負担軽減のため、ということであるならば、まず子どもと過ごす時間、そして授業準備の時間以外の業務をどう減らすか、ということが第一であるべきです。教師の負担軽減に関する県教委の取り組みが文科省のHPに紹介されていますが、校務の効率化が重要なテーマとされています」(青木さん)

青木さんが提示してくれた資料に目を通してみると、都道府県別に教員が子どもと向き合う時間を確保するため、学校の負担軽減のための取り組みを進めているようだ。

たとえば北海道教育委員会が発表している取り組みは『校務支援システム』で、学校や児童生徒に関する様々な情報をデジタル化し、教職員の事務負担を大幅に軽減するというもの。このシステムの導入で、短縮できる時間の目安まで提示されている。

たしかにこうした取り組みが進めば、子どもたちの夏休み短縮を防ぐことができ、教師の根本的な負担も減らすことができそうだ。

■子どもにとって大事な夏休み

ほかにも青木さんは、子どもたちにとって、また保護者にとって、夏休みという期間は大事なものだと訴える。

「子どもにとって、学校という場を離れ、伸びやかな時間を十分に過ごすことは、学期中の集中のために重要なものです。また保護者、特に母親にとって、1カ月以上も続く夏休みが負担になることもあるとは思いますが、そのケアとして、学童保育(小学校低学年時の子など、親が共働きで働いていて放課後の面倒を見てもらえない児童を対象に保育をする制度のこと)など、いろいろなプログラムの拡充を図ることで、子ども達の心を耕すことにもなると思います」(青木さん)

夏休みは単に子どもにとって羽を伸ばす期間だけでなく、大人と同様にリフレッシュする期間でもあるという。

家族と一緒に旅行に出掛けたり、祖父母の家に赴いたりと、大切な人と過ごす時間ができることで、子どもはかけがえのない思い出を作ることができる。子どもの成長という観点で考えても、夏休みは大事なものなのだ。

■学童保育で親御さんをサポート

ちなみに学童保育、いろいろなプログラムとは、具体的にどんなことをするのだろうか?

「学童保育、いろいろなプログラムについてですが、私の勤める学校は、私立小学校のため自前でやるのが基本になっています。そこで、学童保育的なものを作っているのですが、夏休みだからこそ『アートウィーク』と称して、日ごろは触ってはいけないチョークで落書きをしたり、ボディペインティングをしてちょっとした劇に挑戦したりしています。また週に1回は、博物館などに出かけることもしています」(青木さん)

学童保育のニーズが高まっているとのことで、保育園を求めて保活が済んだら、今度は学活(?)ということにもなってくるとか。

「そのため、民間業者の参入も多く、英語教育をやってくれたり、食事が出たり、家まで送迎してくれたり、と値段もサービスも様々なものがあるようです。また、日々の生活は本当に大変で、我が子との時間は幸せでかけがえのないものではあるけれど、正直大変、という声も多いです。共働きのご夫婦はもちろん、ご家庭にいるお母さん方のケアとしても、学童保育やいろいろな夏休みプログラムの提供は良いことではないでしょうか。学校というハードを活用するにしても、学校の先生という存在に頼らず、できることも多いのではと思いますね」(青木さん)

ちなみに青木さんが勤める学校の場合、責任者が正規教員であるが、現場の指導員は卒業生のお兄さん、お姉さんに頼んでいるとのことだった。

夏休み短縮の理由として挙げられているものは、どれも解決できない問題ではない。教師、保護者とそれぞれの立場もあると思うが、夏休み短縮が子どもに良い影響を与えているのかをいま一度よく考えてもらい、短縮しない道もぜひ検討いただきたいものである。

なお、「教えて!goo」では「小中学校の夏休みの短縮化、皆さんはどう思いますか?」と皆さんの意見を募集中だ。

■専門家プロフィール:青木洋介さん
現役小学校教師&子育て塾塾長。都内私立小学校の現役教師である傍ら、親子コミュニケーション改善・母親支援の活動に取り組み、講演・執筆などをおこなっている。著書に「むさしの学園小学校の母親を変える教室」(経済界)。ブログでも情報を発信中。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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