相場から約8億円引きで国有地を手に入れ、新しく小学校を建設中の学校法人「森友学園」。

政界と学校の不正な取引を疑われる同学園は、地元大阪では“愛国幼稚園”の母体であり、園児の保護者とたびたびトラブルを起こすことで知られていた。
その内実を取材してみると…これはマジでアカンやつだった!

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今どきの園児に教育勅語や軍歌を唱和させる――。

そんな愛国教育で地元では知られる塚本幼稚園幼児教育学園(大阪市淀川区)の経営母体、森友学園が、この4月に開校予定の「瑞穂(みづほ)の國記念小學院」でスキャンダルに揺れている。

昨年6月、森友学園は学校用地として大阪府豊中市の国有地8770平方メートルを購入したのだが、その払い下げ価格が近隣の国有地(9492平方メートル)の売却額の10分の1ほどの激安価格だったことが発覚した。

この問題を追及する木村真・豊中市議が説明する。

「この土地はもともと、豊中市が防災公園として整備しようと、国に貸与を打診していたんです。しかし、国は市に買い取りを求めたため、仕方なく敷地の半分を買って公園にしたという経緯があります。


ところが昨年、森友学園が残り半分を買い取ったと聞きつけ、近畿財務局に売買契約の公開請求をしたところ、売却額の欄などが黒塗りだらけだったんです。これはおかしいと売却額の公表を求めたところ、不動産鑑定士が9億5600万円と評価をした土地を、国はわずか1億3400万円で森友学園に払い下げていたことがわかったのです」

その差額、実に8億2200万円! いくらなんでも安すぎる。これでは「国と学園が裏で不正な取引をしたのではないか?」との疑惑が浮上するのも当然だ。全国紙の政治部記者が言う。

「森友学園の籠池泰典理事長は、『日本会議』の大阪支部の幹部。日本会議は憲法改正や天皇の靖国神社親拝などを目指す団体で、安倍首相とも親密な関係を築いている。
その幹部である籠池理事長に口説かれて、名誉校長に就任するのが首相夫人の昭恵さんです。



しかも、森友学園が配った小学校設立資金の寄付用紙には『安倍晋三記念小学校』の文字があります。籠池理事長は当初、首相の名前を冠した日本初の神道系小学校を設立するつもりだったのです。こうした事実から、政権が財務省に口利きをし、国有地を森友学園に格安で払い下げたのではないかとの疑念も生じているのです」

ベストセラー『日本会議の研究』(扶桑社新書)の著者である菅野完(たもつ)氏もこう指摘する。

「8億円のディスカウントも異例ですが、小学校認可のプロセスもプンプンにおいます。瑞穂の國記念小學院は平成26年12月18日に開かれた大阪府教委の私学審議会で、『申請内容に確認すべき点がある』として、小学校設置申請を一度却下されているんです。


ところが、そのわずか1ヵ月後の平成27年1月27日に、なぜか、大阪府教委の私学審議会がわざわざ臨時会を開いて『認可適当と認める』という結論を下し、新小学校の設立にゴーサインを出してしまいました。当時の文科省のトップは下村博文大臣で、大阪府のトップは松井一郎府知事。ふたりとも日本会議と極めて近しい関係にあります。

森友学園が愛国教育を行なうのは自由です。しかし、この急転直下の設置認可に政治権力が介入していたとするなら、それは問題にされるべきでしょう」

そして、退園者が続出する「愛国幼稚園」の実態とは? さらに理事長は本誌に何を語ったか? 詳しくは『週刊プレイボーイ』10号(2月20日発売)「国有地を爆安でゲットした大阪『神道』学園のヤバすぎる実態!!」にて

(取材・撮影/ボールルーム)

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