<共謀罪>要件絞り閣議決定 テロ対策、野党「乱用の恐れ」

2017年3月21日 09時03分 (2017年3月21日 15時10分 更新)
 政府は21日、組織犯罪を計画段階で処罰可能にする「共謀罪」の成立要件を絞った「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を閣議決定した。各国が協力して組織犯罪を未然防止する「国際組織犯罪防止条約」締結のための法整備が目的。政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策の一つと強調し、今国会中の成立を目指すが、野党側は「捜査当局の乱用の恐れがある」などと反発している。

 同条約は国内で「重大犯罪の実行の合意」を犯罪化することを求めている。このため、政府は03〜05年に「共謀罪」新設の関連法案を国会に3度提出。当時の法案は適用対象を単に「団体」とし、犯罪を合意(共謀)しただけで処罰できる内容だったため、「一般の民間団体や労働組合も対象になる恐れがある」などと野党が批判し、いずれも廃案になった。

 こうした経緯から、テロ等準備罪は、適用対象を重大な犯罪の実行を共同の目的とした「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と条文に明示。凶器購入の資金調達や犯行現場の下見といった犯罪の「実行準備行為」を新たな要件に加え、犯罪の合意を「共謀」から「計画」に言い換えた。その結果、組織的犯罪集団の活動として、2人以上で具体的で現実的な犯罪計画を作り、計画に基づいた準備行為があった時点で初めて処罰できるように要件を厳しくした。

 テロ等準備罪は「呼称」の位置付け。2月末に与党に示した改正案には条文に「テロ」の文言がなく、野党側から「テロ対策との印象操作だ」などと批判されたため、組織的犯罪集団の例示として「テロリズム集団」を加えた。

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