今年2月、日本経済新聞はダスキン<4665>は2020年度までに、「『ミスタードーナツ』の約4割に相当する500店でドーナツの店内調理をやめる」と報じた。これまでの店内調理形式の店舗を順次廃止、今後は限られたスペースで展開する喫茶店形式、持ち帰り専門店の新業態への切り替えを進める方針だ。
近年ミスドはオープンキッチン、カフェスタイルの内装、主力製品を値下げし100円セールを廃止するなどの高付加価値型を目指す路線を示しており、15年4月には「ひと味違う、つくりたてのドーナツを食べられる」という、食感を工夫した新製品と、手づくりや揚げたてのイメージを強調する高級路線戦略を打ち出し、商品のテコ入れを行っていた。15年頃から本格参入したコンビニドーナツの脅威に対しても、ミスドは一貫して“手作りによる強み”を強調してきた。ミスドは“できたて”を捨てたわけではない。業態を細分化しそれぞれに特化した業態へと進化させる戦略だ。
売上は長年低迷しているが、新商品開発、店舗戦略を進め、ミスドは今、変わろうとしている。
今後は、新しい価値を提供する取り組みとして、「misdo meets」を開発テーマとし、“最高水準の素材と技術”をもった他社との共同開発商品も積極的に行っていくという。ミスドの「イートイン」業態はコーヒーなどのメインとなるメニューに尖った特長がないという指摘もあり、他社との共同開発や連携企画など外部ソースをうまく取り入れた自社メニューの基礎力向上にも期待が高まる。今後もドーナツ市場から目が離せない。