英語と日本語で一番異なるのが、単語の並べ方です。

「私は、英語を、勉強します」が「私は、勉強します、英語を」と語順が変わっちゃうという、アレですね。


んでもって、英語には基本となる5つの構文がある……。「SV」「SVC」「SVO」「SVOO」「SVOC」という奴ですよ。これに加えて否定形だの、未来形だの、完了形だの、受動態だの、関係代名詞だのと、いろいろ出てきて……。

はい、「このへんで挫折した人、手を挙げて」といったら、クラスの半分以上、手が上がっちゃうかもしれませんね。日本語だらけの社会の中で、日本人が日本語で英語を教える難しさが、このへんに集約されていると思わないでもないです、はい。

そんな中、気軽にこの「英語構文」を復習できるアプリが登場しました。
その名も「英語組み立てTOWN」。以前レビューした「英語聞き取り王国」と同じ、Coconeが送る新作アプリです。
 
本アプリは日本語の問題文を参照しながら、バラバラになった英語のブロックを、制限時間以内に、元の英文に並べ替えていくというものです。

たとえば「来年パリに行くつもりです」という問題に対して、
 
「I」「will」「to」「go」「Paris」「next year」

という単語が提示されたら、これを「I will go to Paris next year」という文章に、タッチで並び替えるというもの。できるだけ早く並び替えれば得点アップで、金・銀・銅のメダルがもらえます。得点を重ねていくと、閑散とした街に建物が建ち並び、どんどん発展していきます。


実際、こういう問題は学校のテストなどでも、よく出題されますよね。前置詞とか不定詞とか、小難しい文法用語はおいといて、とりあえず英語で文章を作る上での思考回路を鍛えようというコンセプトなんですよ。

設問の種類は「中学初級」「中学中級」「中学上級」「高校」の4種類。当たり前ながら、どんどん難しくなっていきます。TOEICで何点と言われるよりも、こんな風に表記されていると、イメージがつかみやすくて良いですね。価格は700円ですが、発売記念で350円の嬉しいセール中。
追加問題の無料配信もあり、長く楽しめます。

タッチのレスポンスや、エフェクトや効果音の入り方、ヒントの出し方、メダルのコンプリートシステム、サクサク進めていけるプレイ感など、いやもう、わかってらっしゃるって感じです。「英語聞き取り王国」と同じく、ゲームライクなユーザーインターフェースの良さが、語学アプリと巧みにブレンドしています。

もう一つ、このアプリがすごいのが、サポート掲示板と融合しているところ。問題の疑問点などを「市長相談室」というコーナーで直接質問して、教えてもらえるんです。いやこれ、ホント凄いことですよ。
ユーザーとの向き合い方がハンパないっす。

このアプリ、先日レビューした「最強の英文法210~TOEIC Test/TOEFL Test英文法~」と、いろんな意味で好対照です。「最強」が英文法の各ジャンルを網羅しているのに対して、「組み立て」は英語構文だけ。「最強」がレーダーチャートなのに対して、「組み立て」は街の発展。「最強」がゲーム的要素をそぎ落としているのに対して、「組み立て」はどっさり盛り込んでいる、などなど。

当然ながら、並行して学べば効果も倍増です。
ただ「最強」がビジネスマン向けなのに対して、「組み立て」は中学~高校生にも勧めたいところ。ちゃんと和訳も表示されるし、ネイティブの男女が英文を読み上げてくれるのも勉強になります。

ただ、これでもまだ難しいという人が、やっぱりいると思うんですよ。そこで日本語の構文をそのまま、英語風に並び替えるモードがあったりすると、さらに取っつきやすくなるんじゃないですかね。

「僕は、原稿を、書いた」「僕は、書いた、原稿を」と並び替えさせて、つぎに対応する英単語を選ばせていくとか……。すみません、素人考えでした。
でもでも、もっともっと楽しい語学学習アプリを、めざして欲しいところです!
(小野憲史)