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「福島以外に住んでいる人間がずっと考えていかなくてはいけないこと」がゲームになった

2014年2月13日 11時00分

ライター情報:小野憲史

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美術館でゲーム作り! ゲームジャム自体がアートとなった「福島ゲームジャム in 文化庁メディア芸術祭」

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「すごいゲームが生まれちゃったなあ」

ゲーム作家で「アクアノートの休日」「巨人のドシン」など、さまざまな作品を世に送り出してきた飯田和敏氏をして、こう言わしめたイベントが実施されました。2月8日・9日に開催された「福島ゲームジャム in 文化庁メディア芸術祭」です。国立新美術館で2月5日から開催中の、第17回文化庁メディア芸術祭関連イベントとして実施されました。

すでにエキレビで何度も紹介しているとおり、ゲームジャムとはプロ・アマ混在の即席チームが一定のルールのもと、数十時間でゲーム開発に挑むゲーム開発イベント。ギネスブックにも認定されたGlobalGameJam(GGJ)が有名です。

なお、GGJでは48時間でゲームを作りますが、今回はなんと22時間! それでも25名4チームが参加し、「共通テーマは『和』」「ゲームをしたことがない人でも遊べる」「東北地方の文化・地理・特産品などについて学べる」「日本語がわからなくても楽しめる」というルールのもとに取り組み、見事ゲームを完成させました。

中でもイベントのオブザーバを務めた飯田氏をもっとも驚かせたのが、アクションパズルの「Catch the 47」。開発チームは「和」というテーマから「日本」「足し算」「和み」などにイメージを膨らませていき、最終的に福島県のピースを回転させながら、飛んでくる他の都道府県ピースをうまくキャッチして、制限時間内に日本地図を完成させていくという内容にまとめ上げました。

都道府県ピースは東北地方から順に、関東、北信越・中部・関西・中国・四国・九州と広がっていき、最後に北海道をキャッチすれば完成。ただし隣接する都道府県でなければキャッチできない点がミソです。都道府県ピースが画面に乱れ飛ぶゲームは空前絶後。しかもそれが福島県を中心に広がっていき、最後に日本地図が完成するという、ただ楽しいだけじゃない、ちょっと意味深なゲームになりました。

そうなんです。本イベントは東日本大震災の復興支援などを目的に2011年から毎夏開催されている、「東北ITコンセプト 福島GameJam」が審査委員会推薦作品に選出されたことで開催されたもの。しかも当日は記録的な豪雪にみまわれ、遅刻者が続出。夜間作業のため特設会場に移動するのにも、タクシーは動かず地下鉄も遅延。夜間の買い出しにも決死の覚悟が必要という状況に。参加者の中には3.11を思いだした人もいたようです。

ライター情報

小野憲史

主夫ときどきゲームジャーナリスト。趣味でNPO法人IGDA日本代表

URL:Twitter:@kono3478

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