「ポケモンGOは田舎格差が大きすぎる」
Twitterをはじめとして各所で噴出している声だ。
ネットに流れている情報と、ぼくがプレイしている内容は確かに違う。
早速北海道の片田舎で、問題を検証してみることにした。

1・ポケストップがなくアイテムを補給できない


ふらふら歩くと、こんな感じ。
「ポケモンGO」田舎では本当に悲しいだけなのか。道民が検証してみた
ぼくの知ってるポケモンGOの景色

地名のない地図アプリみたい。
そもそも「ポケストップ」と「ジム」が、徒歩圏内にない。
「ポケストップ」はポケモンを取るための「モンスターボール」や、HP回復の「げんきのかけら」などを無料供給してくれる貴重な場所。
これがないというだけで、課金をしてボールを買わないと、見つけても捕獲できなくなってしまう。

「ポケストップ」は「Ingress」でユーザーが申請したポータル情報を流用したもの。

「ポケモンGO」神社にあって中学校にない。ポケストップがある理由ない理由:エキレビ
なので極端な田舎の「なんでこんなところに?」というポケストップも存在する。最近では鳥取砂丘がポケストップだらけになっており、観光誘致を始めている。富士山、槍ヶ岳、剱岳、羊蹄山などの山頂には、ジムすらある。

2・ポケストップ不足によるポケモンのレア化


早速課金アイテムのお香(使うとポケモンが寄ってくる)を使ってみた。
「ポケモンGO」田舎では本当に悲しいだけなのか。道民が検証してみた
おこうを使って歩きまわると、それなりにひっかかります

ちょっと歩いて、ポッポ、イーブイ、ナゾノクサ。出なくはない。

以降しばらく歩きまわった上での体感としては田舎にもそこそこポケモンはいる
ポッポやコラッタみたいにあちこちにいるポケモンばかりじゃない。結構な数のシルエットはちゃんと表示された。つかまえられなかったけど。

レアポケモンがいないのではなく、捕獲できる機会が圧倒的に少ない
ポケストップで使う「ルアーモジュール」。
3分前後でポケモンが出現する、しかも他のトレーナーもゲットできるという、このゲームの花型アイテムだ。
これがあるかないかで、収集スピードは段違い。

よし、ポケストップ増やしてもらおう!と言いたいところだが、現在申請の受付は一切行っていない。
だったら、「Ingress」で作られたポータルがそのままポケストップになっているのだから、今からそっちで申請すればいいのでは……?
実は、2015年9月2日から「Ingress」のポータルの新規申請は休止中。ポケストップを増やす手段は現時点ではない。

3・ジムと門番


ポケモンジムで戦うには、ポケモンを強化したり進化させないといけない。

「ポケモンGO」ジムでのバトル、疑問をズバリ解説:エキレビ
ところが田舎だと、モンスターボールが貴重なため、おいそれと簡単に集めて育てられない。無駄撃ちできない。
なので、街で鍛えた強力なポケモンが門番になっている田舎ジムは、周りの住人が育てきれていないから全然倒せない、なんてことも。
特にポケストップから出るはずの回復薬が手に入らないので、戦闘自体がえらい厳しい。
こればっかりは、こつこつ長い目で育てるか、街に出たついでに一気に頑張るか……。

結論
田舎で「都会と同じペースでポケモンを集める」という遊び方をするのは無理。

ポケストップ問題が解決しないかぎりどうにもならない。
とはいえ「Ingress」はかつてローソンとコラボしていたこともあるので(ポケストップにはなっていない)今後少しずつ増えてほしいところ。

爆笑問題の太田光は「ポケモンGO」について「バカじゃねえかって思うね」と言っていた。
(なおそのあと太田は、スマホを持っていないので「やりたくてしょうがない」「だから肉眼で探してんだよ」と、オチを付けている)
おそらく彼の言いたかったのは、「ポケモンGO」の出来がいいか悪いかじゃない。
「皆同じことをして楽しむっていうさ、人と違うことをやらず…いまの人間って夢中になれることが何もないんだろうな」
バンドワゴン効果で盛り上がりまくっている現状。たしかに熱が冷めた時のことを考えると、ちょっと怖い。

エーミールのクジャクヤママユを羨む感覚でやっていると、ある日一気に飽きるかもしれない。

「都会では選択肢が多いから、田舎向きじゃないこのゲームはダメ」と煽り立てるのは、もったいない。
「Ingress」が今でも長く愛されているのは、自由に遊び方を探せるゲームだからだ。「珍ポータル」作りとか。
「ポケモンGO」も同じ。「ポケモン珍写真技術を競う」「近所のポケモン生態地図づくり」「集めたポケモンに凝った名前をつけて漫才形式にする」「地名と出現ポケモンに関係はあるのか」などなど。
なんせ舞台は電波が届く限りの日本全部。自分なりの遊び方を開発すれば、無限に遊べるツールだ。

弱っていた子猫を救うためにポケストップでルアーモジュールを使って引き取り手を探したなんて話もあった。
ぼくは運動不足解消を目的に、遠くのポケストップまでとぼとぼ歩く、のんびりトレーナーとしての日々を過ごす予定です。

(たまごまご)