〈「ウザカワ」は読者の好き嫌いによるマイナス要因の言葉ではありません。作者の愛情を、読者の微笑を受けた、非常に愛されている証としての言葉なのです〉

「二次元美少女だいすき! Vol.1」というムックだ。

アニメや漫画、ラノベなど様々な二次元美少女たちをジャンル分けして紹介している。記念すべきvol.1は「ウザカワ特集!」

〈マイナス要因の言葉ではありません〉というけど、「ウザい」はあまり人に向けて使いたくないし、自分も言われたくない言葉だよね。

「ツンデレ」とかと同じジャンルなのかなー、とパラパラとめくっていると〈日朝東映系アニメの「ウザカワ」パワーから元気をもらおう〉というプチコーナーを発見。おお、日朝(日曜朝にやっている、主にテレビ朝日系列のアニメのこと。)で東映といえばアレしかないだろう……。よし、4ページ目にありました「プリキュア」コーナー!

お、「Yes!プリキュア5GoGo!」からミルクが出ている。
王族であるココとナッツには礼儀正しい態度を取るくせに、プリキュアたちに対しては「まだまだミル!」とぶつかってばかりの、お世話役見習いの妖精だ。
前作「Yes!プリキュア5」から出演していたけど、「5GoGo」でミルキィローズに変身するようになってから可愛さは増したなー。

そして、昨日(1月30日)、最終回を迎えた「ハートキャッチプリキュア!」からは、来海えりか(キュアマリン)が紹介されている! これは放送を見ていた人は全員納得でしょう?

〈第一話から気の小さなヒロインつぼみをクラスの笑いものにしたり、人のお弁当を図々しく食べたりと傍若無人っぷりを発揮しまくりました〉

俺も「ハートキャッチ」を見始めたときは「なんてウザいんだ! でも、話が進むたびにウザさは消えて、まともになっていくんだろうなあ」と勝手に思っていたけど、とんでもなかった。
物語中盤の39話「えりかがピンチ! マリンタクトが奪われました!」では、敵キャラクターのデザトリアンと戦うためのアイテム、マリンタクトを使って部屋を掃除できないかなと画策。しかも、マリンタクトをマッサージのローラーみたいに使ったかと思えば放ったらかして寝ちゃったりとやりたい放題! 「ウザカワ」を地でいってるよ。

「ハートキャッチ」に夢中になっていた俺の友人は、最近まで「ウザカワ」という言葉はえりか発祥だと思い込んでいた。

敵が襲ってきたときや、誰かが困っているときにしか、変身しないのが今までのプリキュアだったんだ。こんなフリーダムでインパクトのあるプリキュアを見たら、そう思っちゃうのも無理ないよね。
えりか発祥で言葉を作るとしたらなんだろう。「えりかわ」?


ほかにもたくさんの「ウザカワ」キャラが出てくる、「らき☆すた」のみさおは自分のために開かれた勉強会をサボろうとするし、「あずまんが大王」の智ちゃんなんか、友達の別荘にお呼ばれしている立場なのにも関わらず、入る直前に鍵を思い切りぶん投げる。

リアルでこんなことをされたら、ウザいを通り越してキれちゃうかもしれない。でも、彼女たちがやると不思議とかわいいなあとも思ってしまう。

「ウザい」行為をしたあとに必ず、頭をひっぱたかれたり、突っ込まれたりする。それでも、気にすることなく笑い飛ばして、また次のウザ行為をするのだ。常にあっけらかんとしているから、嫌味がないのかも。


今まであまり意識したことはなかったけど、結構かわいいよなあ。
もっと「ウザカワ」について知りたくなったので、企画構成のたまごまごさんに相談してみよう! とスカイプで押しかけてみた。「ハートキャッチ」最終回の話もちょっとしたかったしね。


加藤 とうとう終わっちゃいました。「プリキュア」で最後のボス戦後に日常シーンの描写が多いのって珍しいですよね。しかもなんだかえりかが主役みたいな位置ですし。
たまごまご 久しぶりに「ウザかわいいえりか」が思う存分発揮されていました。「たった14歳の美少女が戦うなんて」や「お姉ちゃん1000円ちょうだい」とか(笑)。
加藤 「地球を救っちゃった」のどや顔もよかった。
この台詞もえりか以外だったら、言わないだろうなー。
たまごまご 軽いんですよね。でも、あの子は何も考えてない子じゃない。「私のキャラなら言ってもいい」って全部わかっている気もします。
加藤 つぼみは植物学者や宇宙飛行士になりたかったり、いつきはだんだんと女の子っぽくなっていったけど、えりかは絶対にブレなかった。
たまごまご 他の子は「チェンジ」したけど、「変わらないこと」がえりかの成長でしたね。

加藤 最初から最後まで、ずっとウザい(笑)。
たまごまご 「ウザい」だけだとネガティブになっちゃうんですけど「ウザカワ」は褒め言葉なんですよね。漫才のボケみたいに「お前うざいよ!」とみんなから愛をもって突っ込まれる。そういうキャラの総称なんだと思います。

えりかは自分から道化になって、「ウザカワ」になっているのか天然でやっているのか、判断するのが非常に曖昧なキャラだった。戦闘中でもボケるので、つぼみたちはあまり突っ込まないけど、見ている俺たちは自由に突っ込める。
他のアニメの「ウザカワ」キャラクターたちは、ウザ行為をしたら誰かしらから反応がある。

「『ウザカワ』って褒め言葉なんですよね。『ツンデレ』が猫なら、『ウザカワ』はわんこのイメージです!」(たまごまごさん)

えりかはたまに投げっぱなしのときがあるから、そこが隙になっているのかもなあ。だから自分が突っ込まないといけないのでは、となんだか気になってしまうのかも。

来週2月6日からはじまる「スイートプリキュア♪」ではみんなどんなキャラクターなのだろう。「映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花」
の予告では、主人公の響にほっぺたを引っ張られながら口を尖らしている、妖精ハミィが「ウザカワ」ポジションぽいかな。

たまごまごさんは「『二次元美少女だいすき』は『ウザカワ』で終わりではなく、次も出しますよ」と言っていた。今度はどんなジャンルで来るんだろうか? そこでもまた「プリキュア」が特集されるのかな。どちらも楽しみだ!(加藤レイズナ)