今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

ゲームVSテレビ! 日本VS世界!『世界ゲーム革命』

2011年6月8日 10時00分 ライター情報:小野憲史

『世界ゲーム革命』NHK取材班/NHK出版

[拡大写真]

「なんだか、すごいことになっている!」

本書を読みながら、いたるところで、そうした取材班の驚愕ぶりが感じられました。

えーっと、『世界ゲーム革命』(NHK取材班編著)の話です。

本書は2010年12月12日にNHK総合テレビで放映された「NHKスペシャル 世界ゲーム革命」と、2011年3月24日・25日放送のハイビジョン特集「ゲーム・レボリューションI 王国ジパングの逆襲」「ゲーム・レボリューションII 賢者の予言」という3本のドキュメンタリー番組を再構成したノンフィクションです。

この番組、業界人の反響も大きくて、賛否両論だったようですね。その一端はtwitterのまとめサイトでも伺えます。賛否両論ビバ! ウェルカム。無視されるより、ずっと良いですから。

もっとも、テレビ番組は「絵で見せられる」強みがありますが、対象をまったく知らない人でも理解できるように、どうしても「わかりやすさ」優先で構成しちゃう。そのため、個々の事象の掘り下げが甘くなりがちです。本書ではそうした部分もきちんと触れられていて、資料的価値が高まっているのがいいですね。

具体的には、カナダ・ケベック州におけるゲーム産業の誘致政策戦略や、レベルファイブ日野晃博さんの「二ノ国」に対するこだわり。それからキューエンタテイメント水口哲也さんの「Child of Eden」の企画書や、特別寄稿などが盛り込まれています。叙事詩から始まる企画書、ゲームを遊んだ後で、もっかい読み直してみたいなあ。

というわけで、2000年代以降のゲーム業界と日本の立ち位置を、さらっとつかむには最適ではないでしょうか。ホントはNHKアーカイブスで番組を見ながら、副読本で読めればベストだと思うんですけどね。ま、その日が来るのを期待して待ちましょう。

でもって冒頭に戻るんですが、ゲームジャーナリストの末席を汚す者として、読み進めながら取材班の驚きを追体験しているようで、興味深かったです。「やべえ、今、こんなことになってるの?」みたいな。チーフ・プロデューサーの小川徹さんの後書きにも、こんな風に記されています。

「ゲーム開発の最前線の取材を通して浮かび上がってきたのは、その進化の驚くべき姿だった。これまで好きで読んできたSFの世界が、大学の実験室や軍事技術の最先端ではなく、誰でも簡単に手に入れられる家庭用ゲーム機のなかに実現しようとしていた」

この素朴な驚きぶりは、姉妹編ともいえる「NHKスペシャル 真・電子立国<4> ビデオゲーム・巨富の攻防」と合わせて読むと、より明確に浮かび上がってきます。
関連キーワード

ライター情報

小野憲史

主夫ときどきゲームジャーナリスト。趣味でNPO法人IGDA日本代表

URL:Twitter:@kono3478

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品