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「残機0!! 逆境を駆け抜ける孤高のシューティングゲーム専門誌」が出ただと!?

2011年8月1日 10時00分 ライター情報:池谷勇人

「シューティングゲームサイド Vol.2」ゲームサイド編集部/マイクロマガジン社;
表紙を飾るのは「グラディウスII -GOFERの野望-」。このイラストを見ただけで、懐かしいゲームセンターの思い出が蘇るーーという人もきっと多いはずだ。

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「シューティングゲームサイド Vol.2」を読んだ。

いまどき珍しい、シューティングゲームの専門誌。キャッチコピーが「残機0!! 逆境を駆け抜ける孤高のシューティングゲーム専門誌」というのもスゴい。
シューティング好きの一人としてこんな言い方はしたくないけれど、こうして書店に並んでいるだけでも奇跡のような一冊だと思う。素直に「よく出せたよなあ」と感心してしまった。

今にも「Destroy them all !!」というボイスが聞こえてきそうな巻頭特集は「グラディウスの軌跡」。初代「グラディウス」から、最新作「オトメディウスX」まで、シリーズ15作品を思い入れたっぷりに振り返る。あらためて読むと「グラディウス」の歩みはまさにシューティングの興隆と衰退の歴史そのものだ。「グラディウスV」に寄せられた、箭本進一氏の〈夢なき時代に夢を〉という言葉が涙を誘う。

もうハッキリ言ってしまおう。今のシューティングゲームは、誰が見ても「落ち目」のジャンルだ。
日本のゲーム業界は「スペースインベーダー」とともに幕を開けた。「スペースインベーダー」のヒットがなければ、今のゲーム産業の発展はなかったと言ってもいい。それからの10年間、長らくシューティングゲームは〈グラフィックと音楽の最先端が見られるベンチマーク〉(箭本氏)として、ゲームセンターの花形ジャンルであり続けてきた。
だけど今はそうじゃない。プレイ人口は激減し、内容もニッチ化の一途を辿った。僕もある程度までは遊んでいたけど、自機が戦闘機から女の子に変わったあたりで「なんか違う……」と感じて離れてしまった。新しいファンを呼び込む戦略としては正しかったのかもしれないが、個人的には「かつての花形」のそんな姿は見たくなかった。このまま行けば、シューティングゲームというジャンルが市場から完全に姿を消すのもそう遠くないような気がしていた。

だけど素晴らしいのは、この本のどこからも、そんなネガティブな印象は1ミリも伝わってこないということ。新作情報あり、コラムあり、インタビューあり。どこを開いてもシューティングゲームの記事しか載ってねえ! ここだけ未来が変わってシューティング全盛のまま2011年を迎えてしまったのかと頭がクラクラした。だけど同時に、これこそ今のシューティングゲームの姿なのだろうな、とも思った。

こんな本、と言っては失礼だけど、こんなの普通の出版社だったらまず出せない。

ライター情報

池谷勇人

ゲーム業界を中心に活動するフリーライター、でしたが、2012年にITmediaへ入社。現在はゆるふわニュースサイト「ねとらぼ」で記者をしております。

URL:Twitter:@tekken8810

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