「小太り」が一番長生きできます!
「ナンバーワン!」ってバシッと一本指立て断言する高須クリニック院長の写真がドン!

そんな帯の本、『その健康法では「早死に」する!』が凄い。
著者は、マンガ家の西原理恵子との熱愛宣言でいま話題の高須克弥院長
読んでよかった!

衝撃なのは、厚労省の研究班が行った大規模調査だ。

宮城県内の40歳以上の住民5万人が対象。12年間にわたって健康状態を調査した。
肥満度の指標BMIごとに40歳時点の平均寿命を分析すると、
なんと男女とも、以下のような結果だったのである。
“「小太り」が一番長命で、普通体重が2番目、肥満が3番目で、やせている人が一番短命”
えええええー!
“「小太り」が一番長命で、普通体重が2番目、肥満が3番目で、やせている人が一番短命”
えええええー!
“「小太り」が一番長命で、普通体重が2番目、肥満が3番目で、やせている人が一番短命”
えええええー!
あまりの驚きに三度繰り返した。
私はやせてるショックである。
なにしろ「普通体重が一番長生き」ですらないのだ。

「小太り」が一番長命
そ、それって、ええっ、冷静に考えてみよう。
BMIの指標で「小太り」になってる人が、ベスト、つまり「いい体重」ってことなんじゃないか!
“「肥満は悪」という風潮はつくられた”と高須院長は言う。
メタボリック症候群はアメリカ国民のものだ、と。
アメリカ人の3分の2が肥満で、そのうち病的な「超肥満」が3分の1にのぼる。そして、死因の一位が心筋梗塞。
だから、超肥満退治としてのメタボ対策は有効だ。

“一方、日本人の死亡原因の3分の1は「悪性腫瘍」であり、肥満との関連が指摘される「心筋梗塞」は8%にすぎない”。
だから、日本でメタボ対策は、“目標設定すべき方向性が完全にズレて”いる
それどころか、がんや肺炎は、治療の過程で体力を消耗する。だから、メタボ対策の目標体重では「不足」である、と!
“日本では健康優良児は丸々太っており、かっぷくのいい日本男児やぽっちゃり女子が健康の証しでした”。

“一日に一食しか食べないで腹ペコにしておくと、若返って長生きできるとかいう、おかしな健康法が流行しているそうです。医師として申し上げます。
そんなことは、ありえません”


栄養が不足すれば体力が低下する。当然のことだ。
“標準体重以下の人で、ダイエットしている人は、その分「死」に近づいていると言っても過言ではありません”
糖尿病になる危険性が増す。
カルシウム不足が骨をもろくする。
精神状態にだって影響を与える。
食事の回数を減らせば太る(“お相撲さんが、一日二食なのは有名な話です”)。

そういった話がテンポよく語られる。
というか、考えてみれば、子供のときに教わった話だ。
一日三食、規則正しく食べましょう!

さらに、日本人の一日あたりのカロリー摂取量は“発展途上国並みに少ない”というデータが登場する。
2003~2005年カロリー摂取量世界ランキング、アメリカが1位。日本は86位。ロシア、韓国、中国よりも少ない!
現在では、さらにカロリー摂取量が減って2010年は1849kcal。

“粗食が健康と長寿を約束するという迷信が蔓延した結果、現在の日本人の栄養状態は終戦直後の飢餓よりもひどい状態になっている”!

「腹ペコで健康」の根拠としてもてはやされた「サーチュイン遺伝子」も、データの取り方に致命的な誤りがあったと指摘され、発見者もそのことを認めているそうだ。

具体的にどうすれば長生きできるもしっかり記されている。
ここでは大雑把にぐわっとまとめると、“「食べる」という人間の本能にわずらわしい制約を加えてはならない”
おおお、すっきり! ぴんぽーんぴんぽーんぴんぽーん!
考えてみれば、その通りだ。肉を控えろ、減塩食だ、ビールは太るだ、わずらわしい。気にしすぎるほうが不健康だ。
“ストレス解消には肉食が一番!”
“脂肪の制限をする必要はない”
“蓄積した脂肪は財産だ”
“ビールは栄養の宝庫だ”
“コレステロールは悪くない”
“コーヒーはがん発生リスクを低下させる”
などなど、とにかく痛快で爽快だ。


若さと長寿の秘訣は、美味しいものを食べ、楽しく暮らすことです。
高須院長はそう断言する。

『その健康法では「早死に」する!』は健康法の本であると同時に人生を楽しむことを応援してくれる本だ。
読むと元気になる。人生を楽しもう。(米光一成)