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堀井雄二はえらい。ファミコン世代感涙、全コマドット絵漫画『ファイナルリクエスト』の衝撃

2015年5月21日 10時50分 ライター情報:北村ヂン
昭和の子どもたちは、カクカクッとしたキャラクターたちが動き回る画面で笑い、恐怖し、涙していたのだよ!

だったら、ゲームに限らずドット絵で物語を表現することもできるんじゃない? ……とまあ、そんな思いつきを本気で実行しちゃったと思われるのがこの漫画『Final Re:Quest ファイナルリクエスト』(1)。なんと全ページ、全コマがドット絵で構成されているという斬新すぎる漫画なのだ。
『ファイナルリクエスト1』日下 一郎、ヒューガ/講談社

普通の漫画は当然、漫画家さんが手描きした絵で物語を展開していくわけだけど、要はその絵の部分が、ファミコン画面のようなドット絵に置き換わっているということ。本を開いた瞬間に目に飛び込んでくる、ファミコンゲームの画面キャプチャーのようなページの連続は、なかなか衝撃的!

もちろんドット絵で漫画を……といっても、ただ単に解像度が粗い漫画というわけではない。キャラクターのサイズはこれくらいで、マップのタイルはこれくらい、1キャラに使える色数は4色まで……などなど、ファミコンの性能を想定した制限をかけてドット絵を制作しているらしい。そこまで、こだわる必要あるか!?

さらに、セリフ部分も8×8ピクセルで構成されたドット文字。しかもひらがな、カタカナのみで漢字ナシ! 確かにファミコン時代に漢字の表示は難しかったけどさぁ……。そんな、クレイジーとも思えるほどのこだわりを積み重ねた結果、漫画を読んでいるというよりは、ファミコンのRPGをプレイしているかのような読書体験を与えてくれる。

そして「全ページドット絵」という、パッと見のインパクトで、その手法にばかりに目を奪われがちだけれど、この漫画のキモはドット絵とストーリーの融合だ。

物語は、架空のゲーム機・FAMIBOY用ゲームソフト『ファイナルクエスト』のエンディングからはじまる。魔王を倒して世界は平和になりました、めでたしめでたし……みたいな、いかにもファミコン時代のRPGにありがちな展開なのだが、その平和になった世界に突然異変が……バグッてしまったのだ!

ゲームの世界に異変が起こって……みたいな漫画やアニメは、これまでにもいっぱいあったけど、ドット絵世界が崩壊する「バグッた」シーンの衝撃は、ドット絵で描かれた漫画だからこそ表現できたものだろう。だってホントにページがバグッてるんだもん(セーブしてないのに、おかあさんがファミコンに掃除機をぶつけちゃった感!)。

さらに、ドット絵に目が慣れてきた頃に突如として登場する、ある仕掛けにも腰を抜かしましたよ。

ライター情報

北村ヂン

群馬県出身。ライター&イラストレーター。珍奇でバカでサブカルチャーなものが主な取材対象。「デイリーポータルZ」や「日刊サイゾー」などで執筆中。

URL:Twitter:@punxjk

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