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電子出版時代の論客が徹底討論「凡庸なマンガ家の生存戦略」佐渡島庸平×鈴木みそ

2015年7月31日 10時50分 ライター情報:小野憲史
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インターネットであらゆるものがガラガラポンされていく時代。出版業界でも電子書籍の普及で、個人が自由に出版できるようになりました。なんと紙の落ち込みを下支えし、電子をあわせれば市場は上向きという見方もあるほど。しかし「出版できること」と「売れること」は別の話です。星の数ほどのコンテンツの中で、いかに自分たちの作品を埋没させず、読者に届けられるか・・・。ま、出版だけじゃないですけどね。



我々は凡庸なマンガ家である!


こうした問題意識を背景に、トークイベント「佐渡島庸平×鈴木みそ『凡庸な作家のサバイバル戦略──結局どうすりゃ売れるのさ』」が7月25日に都内で開催されました。電子出版の荒野を開拓し続けるマンガ家の鈴木みそと、デジタル時代の作家エージェントとして注目を集める佐渡島庸平が150分にわたってガッツリとトーク。主催はNPO法人日本独立作家同盟で、理事のまつもとあつしがモデレートしました。
赤裸々みそと佐渡島無双が交錯し、刺激的な150分間となったトークイベント

イベントに先立ち上梓した『でんしょのはなし』(eBookJapan/マイクロマガジン社)で、「我々は凡庸なマンガ家である!」とアジテートしたみそ。マンガ界は一握りの天才と多数の凡才マンガ家から構成されており、これが多様性を生み出す背景になってきたと言います。しかし紙の市場が縮小する一方で、電子出版に大手が本格的に参入してきた結果、せっかく電子書籍で出版しても、作品がランキング下位に低迷。このままではマンガに多様性が失われ、縮小してしまうのでは・・・というわけです。
「原稿第一」ヘルメットを被ってイベントにのぞむ鈴木みそ

これに対して佐渡島は「作品を紙に印刷して販売し、所有権を読者に移転することで対価を得る」という伝統的なビジネスモデルが、ITの普及で変化していると分析。それに伴いマンガというコンテンツのあり方や、課金ポイント、プロモーションやブランディングについても変わらざるを得ないと指摘しました。佐渡島が代表を務めるコルクも「作家と出版社をつなぐ出版エージェンシー」ではなく、「ITで作家の価値を最大化するクリエイターエージェンシー」だと説明します。
冷静かつ論理的に現状分析と生存戦略を語る佐渡島庸平

例にあげたのが「宇宙兄弟」で有名なマンガ家・小山宙哉です。「週刊モーニング」時代から担当編集者としてかかわり、独立後もコルクでサポートを続けている佐渡島。公式サイト・facebook・Twitter・LINEブログ・インフォグラム・メルマガ・LINEアカウントを管理し、担当者二名で情報を切り分けながら発信して、読者とのコミュニケーションをとっているそうです。

ライター情報

小野憲史

主夫ときどきゲームジャーナリスト。趣味でNPO法人IGDA日本代表

URL:Twitter:@kono3478

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