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マツコロイドを作った天才研究者・石黒浩が語る「アンドロイドは人間になれるか」

2016年1月1日 18時00分
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ロボット研究者・石黒浩さんの著書『アンドロイドは人間になれるか』について、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが対談。

マツコロイドを作った石黒浩の頭の中!



藤田 今回は、石黒浩さんが文春新書から出された『アンドロイドは人間になれるか』を扱います。公平を期すために言っておくと、飯田一史さんは本書の構成を担当なさっています。

飯田 クレジットされているので言っていいと思いますが、僕が聞き書きしてまとめ、石黒さんがさらに手を入れたのがこの本ですね。石黒さんは大阪大学の教授でロボットやアンドロイドの研究者(人間そっくりのタイプのロボットが「アンドロイド」で、いかにもメカメカしいやつとかを「ロボット」と思ってもらえばざっくりOK)。TV番組『マツコとマツコ』でおなじみマツコ・デラックスさんのアンドロイド「マツコロイド」の生みの親。つねに全身黒服しか着ないとか、自分そっくりのアンドロイドをつくっちゃったという変人ぶりでも知られています。海外での評価は高く、CNNが選ぶ「世界を変える8人の天才」に選ばれたり、オーストリアで行われている国際的なメディアアートの祭典アルス・エレクトロニカに招かれたり、平田オリザさんのロボット演劇に協力したりと多彩な活躍をされています。

藤田 最初に、わりとゆるい感想を言いますが、面白かったのは、ロボットやテクノロジーそのものだけではなくて、人間観や宗教などについても幅広く思索されている部分でした。石黒さんが、まず「人間の心」というものがよくわからないというところから始まって、「心」とか「人間」の再定義を行いながら、ロボットやアンドロイドの開発に向き合っている自伝的な内容になっているのも、興味深かったです。
 特に重要だと思ったのが「心」は、人間の内部にあるのではなくて、観察する側が「作り出しているだけだ」っていう見方を採用して、ロボット作りにおいて引き算のアプロ―チをしていくところですね。機能を削ぎ落したロボットで、どこまで「人間味」や「心」を感じるのかのチキンレースみたいなことをやっている。

飯田 昨今、人工知能に対する関心が非常に高まっていますが、いま流行っているディープラーニングという手法をどんだけやっても、人工知能が主観的に認識する「心」はできない(はず)。
 石黒さんはそういうアプローチじゃなくて(ディープラーニングを使ったロボットもつくっていますが)、アンドロイドに「心」が"あるように見える"ものができたら、それは「心」って呼んでいいんじゃね? どうやったら心があるように見えるのか、ひとはどんなふるまいをされると「こいつには心がある」と感じてしまうのか? そこに人々が「心」と呼ぶものの正体があるのでは、という発想です。
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