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知的障害の方の子育てについて考えたこともなかった『ひまわり!! それからのだいすき!!』

2016年8月1日 10時00分 ライター情報:松澤夏織
「BE・LOVE」(講談社刊)で連載されていた『ひまわり!! それからのだいすき!!』が完結した。知的障害のある母親をもつ女性ひまわりを主人公にした今作、その母親 柚子(ゆず)の妊娠・出産・子育てを描いた前作『だいすき!! ゆずの子育て日記』のシリーズ連載期間は足掛け11年にもわたる。「連載は手探りの日々だった」とふりかえる漫画家の愛本みずほさんに話をきいた。
『ひまわり!! それからのだいすき!!』(愛本みずほ・講談社)


自分には描けないと思った


――『だいすき!! ゆずの子育て日記』は編集さんから企画を提案されてはじまったそうですが、声をかけられた時はどう思いましたか?
愛本みずほさん(以下 愛本) 難しそうなので無理だと思いました。私自身、子育ての経験がありませんでしたし、そもそも知的障害の方が子育てをするなんて考えたこともなかったんです。なので最初に話を聞いた時、率直に「子供を育てられるんだ」と思いました。知的障害について何も知らないということも躊躇した理由の一つでした。今でこそ特別支援学級などがありますが、40年ほど前に私が通っていた小中学校にはなかったので大人になるまで障害のある方と触れ合う機会は皆無で、どう描けばいいのかわからなかったんです。
――『だいすき!!』の巻末漫画でも描かれていますが、ご友人から「知的障害の人をかわいいと思えたら描けるよ」というアドバイスをもらったことが大きかったそうですね。
愛本 その友人には知的障害のある妹さんがいました。構想段階から彼女にはとてもお世話になっていて、障害のある皆さんの作業所なども彼女に紹介してもらって取材をしていました。でも取材をすればするほど、「障害者」という人たちをどう感じていいのかわからなくなってしまって…。そんな時に「普通の人ならやらないようなおっちょこちょいなことをしちゃった時とかに、ふとかわいいと思えたら描けるかもよ」って言ってくれたんです。大の大人に向かって家族以外の人間がかわいいと言うことを不謹慎だとする考えもあると思います。でも取材をしてさまざまな方とお話しする中で、自然にそう思えることがあって。この言葉のおかげで描けるかもしれないという気持ちになりました。

主人公の気持ちがわからない


――知的障害のある主人公の漫画は今まで読んだことがありません。いざ描いてみるとやはり難しかったのではないですか?
愛本 そうですね…! 柚子が何を考えているかわからなくって…! 私の場合、漫画の主人公には自分の考えが反映されることが多いので、キャラクターは自分の分身みたいな存在になるんです。

ライター情報

松澤夏織

元印刷会社OL、現ライター兼編集アシスタント。ムック本の執筆、WEBメディアの取材・構成など。趣味は漫画とアニメとロードバイク。月間900km爆走する体育会系。

URL:Twitter:@natsumatsuri728

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