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「こんな人クラスにいた気がすると思うことも」知的障害のある親をもつ女性を描くということ

2016年8月2日 10時00分 ライター情報:松澤夏織
知的障害のある母の子育てと家族の現実を描いた『だいすき!! ゆずの子育て日記』、知的障害のある親をもつ女性の人生を描いた『ひまわり!! それからのだいすき!!』。シリーズ完結記念インタビュー後編では、一見すると重く社会派になりがちなテーマを明るく描いたことへの思いや、11年にわたって取材と連載を続けて感じた障害そのものについて、漫画家の愛本みずほさんに聞きました。前編はこちら)
『だいすき!! ゆずの子育て日記』(愛本みずほ・講談社)

障害を明るく描くのは不謹慎か


――『だいすき!!』と『ひまわり!!』はどちらも社会派のテーマではありますが、読み味がとてもライトですごく朗らかです。読みやすいですし、障害の話だからって肩肘張らないでいいよと言われているようでした。
愛本みずほさん(以下 愛本) 説教くさい漫画は面白くないので、そういう雰囲気にはしたくないという思いはありました。もともと障害者を描こうと思っていませんでしたし、この作品は健常者のお母さんより少しできないことが多くて、おっちょこちょいな柚子という子の子育て漫画なんです。あと柚子のモデルになったお母さんが明るくてかわいらしい方だったということと、ひまわりが元気な子供だったのも大きいですね。
――ひまわりが柚子の妊娠・出産にまつわる話をブログにアップした時、「障害者が子供をもつなんて無責任」といったネガティブな意見が寄せられて炎上しましたが、そういうことはありませんでしたか?
愛本 なくはなかったと思います。企画段階でも「寝た子を起こすようなことになるのでは」と議論が重ねられたときいています。障害のある女性から「親にダメだと言われていたけれど、この漫画を読んで私でも恋人をつくっていいんだと思えました」というお手紙をいただいたこともあります。明るく描くことが不謹慎なのではないかと思ったこともあります。でも実際に取材をすると障害があるご本人もご家族も支援者の方も皆さん本当に明るくてパワフルなんですよ。もちろん色々ご苦労されてそれを経た今だからこそ笑っていらっしゃるというのもあると思うのですが、ご家族の方だっていつも障害のことを考えて泣いているわけじゃないだろうと。悲しい話もたまに聞きますが、あえてそこに焦点をあてるような描き方はしなくても良いと思いました。

社会が変われば、障害は変わる


――最終回が掲載された「BE・LOVE」の誌面上でのインタビューでは、知的障害に対する考えが取材前と後でだいぶ変わったと答えていますが、愛本さんの中で起こった考え方の変化とは。

ライター情報

松澤夏織

元印刷会社OL、現ライター兼編集アシスタント。ムック本の執筆、WEBメディアの取材・構成など。趣味は漫画とアニメとロードバイク。月間900km爆走する体育会系。

URL:Twitter:@natsumatsuri728

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