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村上春樹秘宝館『騎士団長殺し』がエロ満載なわけ

2017年3月20日 10時00分 ライター情報:米光一成
『騎士団長殺し』は村上春樹秘宝館だ。
発売されて、もうすぐ一ヶ月がたつ。
書店ではカウントダウンイベントも開かれ、初版と事前増刷を併せて130万部も出し、脱線事故の影響で北海道では発売が一日遅れることがニュースになり、と話題はことかかない。

総集編だと言われたり、セルフパロディっぽいっと言われたり、なんだったんだと怒る人もいれば、期待通り、新境地という人もいる。
賛否両論である。
どんな物語なんだ? さっぱり判らないではないか。
とお嘆きのみなさん。
『騎士団長殺し』は「村上春樹秘宝館だ」という補助線を引くとバッチリと落ち着く。
変珍で、ごった煮で、おっぱいで、訳の分からなさも突破しエロ満載なのだ。

そもそも装幀が「秘宝館ですよ」っていうメッセージをビンビンに示している。
サブタイトルが、袋文字でドロップシャドウで下線
デザインの先生がやっちゃダメっていう3大ギミックを全部使ってしまうダサさ。
帯の下の「K i l l i n g C o m m e n d a t o r e」の字詰めの間の抜けよう。

もちろんこれらは秘宝館っぽさを出したいがゆえの「ちょいダサ戦略」でしょう。
ちょいダサ・ギークファッションが逆にカッコイイとか、シーパンク的なのとか、そういうの。

「村上春樹の『騎士団長殺し』をネタバレ全開で語り尽くす会」(米光一成×鴻巣友季子)というトークイベントをやるので、読み返しているが、
いつもの村上春樹作品に較べて変珍なエロが多め、「エロと怪異ときどきごはん」の連続なのだ。

始まってすぐ17ページ、
“妻と別れてその谷間に住んでいる八ヶ月ほどのあいだに、私は二人の女性と肉体関係を持った。どちらも人妻だった。”
と不倫を宣誓する突っ走り具合も爽快だ。
“どちらも私が教えていた絵画教室の生徒だった”。
しかも人妻で生徒。
さらに、“私は機会をつかまえて、彼女たちに声をかけて誘い”。
“彼女たちと肉体関係を持つことは、道路でたまたますれ違った人に時刻を尋ねるのと同じくらい普通のことに思えたのだ”。
と、酷い男である。
女性は怒っていいのではないか。
入っていきなり、でっかいチンポの像が置いてある感じ。

今回、いつにもまして、主人公が、ダメ男だ。
重ねられるモチーフのひとつが「ドン・ジョバンニ」だから、当然かもしれない。

「ドン・ジョバンニ」はモーツァルトのオペラ。
自称「愛の運び手」女たらしの貴族ドン・ジョバンニが主人公だ。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

コメント 8

  • ノラ犬さん? 通報

    地元の本屋では山積みになったまま一向に減っていないんだけど…本当に売れてるの?

    14
  • 匿名さん 通報

    これでノーベル文学賞候補?

    8
  • 秋川 通報

    ひどい感想ですね。

    6
  • 普通の人 通報

    ノーベル賞欲しいおっさん。中国に媚びてノーベル賞の根回しして欲しいんだろ。単に売国奴でしょ!

    5
  • 匿名さん 通報

    エロの美学と化した小説。

    3
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