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お母さん、苦くないピーマンが出ましたよ! ピー太郎レポ

2010年11月22日 11時00分 ライター情報:近藤正高

試食コーナーでふるまわれた、肉と一緒に炒めた「こどもピーマン」。肉厚でとってもジューシーでした。

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21世紀になったいまも、ピーマンは子供の嫌いな野菜のトップをひた走っているらしい。生まれてこのかた一度もピーマン嫌いだったことのない私にしてみれば、どうして? とも思うのだが、やはりあの苦味や青臭さがダメという子供は多いようだ。

ちなみに、ピーマンの苦味成分については、ポリフェノール類、アルカロイドなど諸説あるものの、いまだに明確にはなっていないとか。ピーマンは案外、謎めいた野菜なのである。

そこへ来て、何と、苦くないピーマンが登場したという。つくったのは京都のタキイ種苗という会社。同社は、天保6年(1835年)に京都で有料種苗を採種し分譲をはじめて以来、じつに135年にわたって野菜や花の新品種を世に送り出してきた老舗中の老舗だ。

そのタキイ種苗が今月11日、苦くないピーマンをはじめとする新品種の発表会を滋賀県湖南市にある研究農場にて開くというので、行ってきた。メディア関係者用に仕立てられたバスは、集合場所の京都駅前から満員で出発する。園芸専門のメディアとは無縁だった私は、種苗(恥ずかしながら、種苗と書いて「しゅびょう」と読むなんて知りませんでした)会社の新品種発表会に参加するのは当然初めて。まさかこんなにメディア関係者が集まるとは、園芸の世界は奥が深い!……などと、妙なところに関心しながらバスに揺られること約1時間。山あいののどかな場所にその農場はあった。

到着するとさっそく建物に案内され、瀧井傳一社長も出席のもと品種発表会が行なわれた。発表にあたりスライドで映し出された、苦くないピーマン……その名も「こどもピーマン」(ただしこれはブランド名で、品種名は「ピー太郎」という)は、ピーマン特有のひだひだがなくて、ツルンとしており、まるでシシトウを大きくしたよう。

それもそのはずで、じつはこの「こどもピーマン」、厳密にいえばピーマンではなく、もともとハラペーニョ(メキシコの青唐辛子) から生まれたものなのだ。ハラペーニョといえば、タバスコの原料にも使われる激辛の唐辛子だが、それが10年ほど前、米アリゾナ州のユマにあるタキイの育種農場で、突然変異により辛くないものができた。これこそ「こどもピーマン」誕生の発端だったというわけだ。

さて、発表会終了後、今度は農場見学ツアーへと案内される。一口に農場と言っても、ピーマンやトマトなどの果菜をはじめ、 ダイコンなどの根菜、白菜などの葉菜、それから花卉(かき)と、複数のゾーンに分かれており、そのあいだをすばやく移動するためふたたびバスに乗るほど広かった。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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